2021年8月23日月曜日

ホットドッグ


前回のパンの話のついでに頭に浮かんだのがホットドッグである。ハンバーガーの陰に隠れてちょっと地味な存在だ。

 


 

ウィキペディアによるとアメリカ人は一人あたり平均で年間60回食べるそうだ。考えてみるとなかなかのものだ。

 

平均で1ヶ月に5回である。毎週1回は食べる計算だ。平均だからホットドッグ好きな人は余裕で月に10回ぐらいは食べるのだろう。

 

私もホットドッグは好きだ。でも年間に数回しか食べない。ハンバーガーのような専門店が少ないこともあるが、普段の暮らしでホットドッグが無性に食べたくなる機会がない。

 

近所に専門店でもあれば頻繁に食べるのだろうが、なかなか目にすることがない。ハンバーガーショップのメニューの片隅に載っていることもあるが、頭の中がハンバーガーで占められていたら注文することはない。

 

“ハンバーガーを押しのけてまでは食べない”。これが平均的日本人のホットドッグに対するスタンスだろう。

 



 一説によると熱々のソーセージを手で持てなかったからパンに挟んだのがルーツだという。150年ぐらい前、ドイツからの移民が茹でたてソーセージを売っていた際のことらしい。

 

なんだかそんな話を聞くとホットドックにもロマンを感じる。


名前の由来はソーセージがダックスフンドの形に似ていたからだとか、ソーセージに犬肉が使われているのではと疑われたからとか諸説あるらしい。


犬肉説にはビックリだが、こればかりは昔から“ミンチ肉イコール怪しい”という風潮があるから仕方ないのだろう。


そういえば私が子供の頃、某ハンバーガーチェーンの肉は猫の肉が使われているという都市伝説が広まっていた。決まって「バイトしている知り合いが見ちゃったらしい」というパターンで始まる話だった。ゴミ捨て場にネコの頭だけの死体がゴロゴロあったという凄い話である。


各店舗でいちいちミンチ肉から作っているはずはないのだが、信じちゃう少年達も結構いた。のどかな時代の牧歌的な話である。


話がそれた。

 

私のちょっとした憧れがアメリカの野球場でホットドックを食べることだ。これまで結構な数の国々を旅して結構好きなことをしてきたが、本場・メジャーリーグを生で観戦したことがないのが残念無念である。

 

若い頃は何度もアメリカに行ったが、中年になってからヨーロッパばかり行きたがるようになったせいだ。

 

何となくアメリカを敬遠しちゃうようになったから、今後もチャンスは無さそうだ。でも、もし「死ぬまでにやりたい10の事」を実践するとしたら「ボールパークでホットドッグ」は5番目ぐらいには入ると思う。

 

ロスやボストンの球場の名物ホットドッグも捨てがたいが、時々NHKのメジャーリーグ中継で見かけるアホみたいなサイズの一品にもかじりついてみたい。

 


 

考えてみればケチャップとマスタードの味しかしないのが基本的なホットドッグである。真っ当なヤツなら刻まれたピクルスやオニオンがアクセントになって独特の風味を醸し出す。

 

シャウエッセンみたいなウマいソーセージではなく、ちっとも味に深みのないソーセージのほうが全体の味のバランスが良くなる気がするから不思議だ。

 

作るのは簡単そうだが、家でわざわざ作ろうと思わないのもホットドッグの宿命だ。買い食い専門路線を徹底しているところがヤツの真骨頂と言えよう。

 

だったらもっと街中にホットドッグ屋さんがあっても良さそうだが、これまで生きてきた中で近所に専門店があったことはない。

 

ネットで調べたら意外にホットドッグ専門店は存在する。とはいえ、牛丼屋に対する豚丼専門店の割合のようにさほど多くはない。なんだか残念だ。

 

アマノジャク精神を旨とする私としては、ハンバーガーの陰に隠れた存在であるホットドッグをとことん追究してホットドッグ評論家を目指すのも悪くないかもしれない。



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