2023年2月10日金曜日

ヒデキ!


西城秀樹の甥っ子がグラミー賞を受賞したそうだ。叔父さんに導かれて音楽の道に進んだそうだから孝行の極みだ。

 



西城秀樹に再び脚光が当たったことも何だか嬉しい。改めて思うが昭和の傑物だったと思う。ベタな「歌謡曲の人」というイメージのせいか、その実力や実績に比べて世間の評価が思ったほど高くない。

 

ヤングマンの「YMCA」の振り付けのイメージばかり先行してしまったのは西城秀樹にとって幸か不幸かビミョーだったと思う。

 

あの存在感、歌のうまさ、独特の歌唱法、表現力どれをとっても希有な存在だった。新御三家として郷ひろみ、野口五郎との3人セットで扱われがちだが、正直、まったく異質といっていいほど歌手・西城秀樹は別格だったと思う。

 

ちなみに新御三家にそれぞれ別の人のヒット曲を歌わせると仮定する。西城秀樹は残り2人の歌をしっかり表現力豊かに歌えると思うが、その逆は成立しないはずだ。私の思い込みだが、野口五郎にも郷ひろみにも「傷だらけのローラ」や「炎」、「ジャガー」といったヒデキ節は歌いこなせないと思う。

 

小学生の頃、ヒデキが熱唱する「ローラ~~!」を聴いて衝撃を受けた。「どうしたんだこの人、大丈夫か?」とさえ思った。

 

https://www.youtube.com/watch?v=xWq6ZJIpqvA

 

昭和40年代の終わり頃、歌謡曲と言えばまだまだお行儀良くしっかりすっきり歌うのが普通だった。そんな中でヒデキの絶唱系の表現力は抜きん出ていた。

 

いわば「シャウトする人」がいなかった世界に突如降臨した革命児だったような気がする。

 

そんな凄い存在だったのに「ヤングマン」の異常なまでの大ヒットでヒデキは「国民的体操のおにいさん」みたいな役割を期待されてしまったように思う。

 

ハンサムだしタッパはあるし、時代背景を考えてもアイドル歌謡の王道を進むしかなかったわけだが、ヒデキの才能はそんなワクに収まるものではなかったはずだ。

 

YouTubeに上がっているヒデキのドラムプレーを含むジャズパフォーマンスを見たのだが、ぐんぐん引き込まれてしまった。まさに日本トップのエンターテイナーだろう。下の動画の540秒あたりからの歌とそこからのドラムさばきの格好良さは感動モノだ

 

https://youtu.be/bk1hw17mf3E

 

いやあ圧巻である。ここまで卓越したショーマンだったんだと改めてヒデキの早過ぎる寿命が残念でならない。イマドキの売れっ子アイドル達が実に小粒に見えてくる。

 

ついでに脱線気味にもう一つ。加藤茶とのドラム競演も非常に面白いのでオススメです。

 

https://youtu.be/fsKC4pQYgxo

 

Wikipediaでヒデキの人生をしっかり読み込んでみたのだが、いやはや単なるアイドル歌手などと呼んではいけないスーパースターだったことがよく分かる。

 

小学生からバンド活動に励んでいたという早熟ぶりはさておき、初の野球場コンサート、初の大規模野外フェス、ペンライトをファンが振り出したのもヒデキのステージが元祖らしい。香港をはじめとするアジアでの熱狂的な人気も当時としては凄いことだった。

 

ちなみにカレーライスが国民食になったのもヒデキのおかげという説まであるらしい。確かに「ヒデキ感激!」のインパクトは強かった。


いずれにせよ今のエンタメ業界はすべてヒデキの作ったレールの上で進んできたと言っても言い過ぎではないのかも知れない。

 

素人的なヒデキ評論?に私を駆り立てたのにはもう一つ理由がある。私が初めて間近で目撃したスターが西城秀樹だったからだ。その強烈な印象はいまも残っている。

 

小学生の頃に見学した日本テレビ音楽祭みたいな番組の公開収録現場での話だ。ナゼか関係者通路に入れてもらっていた私のそばに白いプレスリーみたいな衣装を着たヒデキが立っていた。ナマヒデキである。勃○しそうになった。キラキラして宇宙人のように思えた。

 

私にとってあの日のヒデキ遭遇事件と中学2年の夏にグアムのプールで目撃した石川さゆりのビキニボイン事件はその後数え切れないほどの芸能人有名人遭遇歴の中でもピカ1の大事な記憶である。

 

「傷だらけのローラ」や「ジャガー」「ブーメランストリート」といったイっちゃってる系の他、「ブルースカイブルー」「ブーツを脱いで朝食を」「抱きしめてジルバ」のようなアダルト系もカッチョ良かった。はたまた「ギャランドゥ」みたいなノリノリ系もヒデキの魅力を引き立てていた。

 

中高年世代ならヒデキの何かしらの曲にいろんな思い出を持っていると思う。

 

ついでに言えば「ギャランドゥ」という言葉を男性の下半身の体毛の呼称に変えてしまったのもヒデキの功績?である。中高年世代の人間には信じられない話かもしれないが、今の若い人の多くが「ギャランドゥ」という言葉を体毛の意味としてしか認識していない。

 

歌のタイトルが由来だとか、ヒデキが芸能人水泳大会で競泳パンツから湧き出させていた体毛が由来だとかをまったく知らない。バストやフィンガーみたいな単なる普通名詞だと思っているわけだ。

 

そんな人があの名曲「ギャランドゥ」を初めて聴いたらビックリするだろう。なんてたって♪悔しいけれど おまえに夢中 体毛!陰毛!♪と歌っているようにしか聞こえないことになる。

 

脱線してしまった。少しだけYouTubeからヒデキの動画を紹介したい。まずは「ジャガー」。140秒あたりからの語りの部分はヒデキが唯一無二の存在だったことを再認識させてくれる。

 

https://www.youtube.com/watch?v=G3XXqPTLqkI

 

続いては懐かしい曲を集めた総集編みたいなもの。どんな曲もヒデキの手にかかれば熱唱系になる。精一杯真面目に歌い上げるヒデキはカッチョイイと思う。

 

https://www.youtube.com/watch?v=glKWPYTCbcI

 

とにかくヒデキの凄さはもっともっと評価されて然るべきだと思う。ヒデキが亡くなった年の大晦日の紅白で追悼コーナーが設けられるかと期待していたのに何も無かったのは残念だった。

 

これからでも没後○年とかの企画でヒデキに脚光を浴びせて欲しいと思う。

 

 

 

 

 

2 件のコメント:

洞澤宏樹 さんのコメント...

富豪記者殿

西城秀樹は女子供の人気者、ミーハー人気に支えられた存在みたいな思われ方をしていましたが、富豪記者殿の書かれている通りすごい人だと思います。かくいう自分も生前は彼の凄さに気が付きませんでしたが彼が亡くなった時に及ばずながら追悼文を書いていました。もしよければご笑覧ください。https://anosyaryo.exblog.jp/238538040/

富豪記者 さんのコメント...

洞澤様

コメントありがとうございます。設定が変わったようでコメントの通知が来なくなっており拝見するのが遅れてしまいました。ブログ拝読しました。大いに同感しました。ジンと来ました!