2024年10月25日金曜日

薄気味悪い…

 

この週末は衆院選挙の投票日だ。自公連立がボロ負けするようだが、その後の連立の組み合わせは不透明だ。安定多数にあぐらをかいてきた自民党の増税一辺倒の姿勢が問われた格好だとも言える。

 

さて、選挙期間中は候補者たちがSNSを活用して投票を呼びかけることが一般的になったが、そこに飛び交うトンチンカンな批判や罵詈雑言を見ていると何だか空恐ろしい気持ちになる。

 

候補者の食事風景にいちいちイチャモンをつけるのも流行りみたいだ。実にバカげた話だと思う。立憲・枝野さんの牛丼屋での食事風景にも「豚汁まで頼んで贅沢だ」といった趣旨の批判が寄せられている。安倍晋三の学生時代に家庭教師をしていたことがウリ?の自民非公認・平沢さんにいたってはコンビニ弁当の食事風景がバッシングされた。

 



すなわち、今どきのコンビニ弁当は高級品だから充分に贅沢だといった批判だ。いやはやもうハチャメチャの八つ当たりみたいな話である。コンビニ弁当が高価だからと叩かれるなんて一昔前では考えられない話だろう。

 

もちろん、コンビニ弁当に手が出ない困窮層がいるのは分かるが、それを食べているヨソの人を叩く心理はちょっと不気味だ。コメント欄を眺めてみたのだが、「名も無いスーパーの冷たいおにぎりで充分」という具体的な提案?まであった。なんだかなあって感じだ。

 

政治家に清貧を求めるのは理解できるが、清貧の定義って謎だ。コンビニ弁当や牛丼屋まで否定されるわけだから意味不明である。

 

以前はれいわ新選組の山本太郎代表の鰻弁当を食べている投稿もさんざんバッシングされていた。普通に働いている人間なら鰻弁当ぐらい食べることもあると思うのだが、いったい政治家に何を求めているのだろう。

 

揚げ足取りに飽き足らず、他人の食事内容まで必要以上に監視して文句を書き殴る。それで溜飲を下げているのなら正直言って気持ち悪いとしかいいようがない。世の中から大らかさが無くなってきた象徴的な話にも思える。

 

別に枝野さんも平沢さんも、もちろん山本太郎代表にも個人的な思い入れは一切ない。むしろ苦手な面々といっても良い。それでもこういう異常な「イチャモンありき」の風潮は行き過ぎだと感じる。

 

政治家の清貧。これは原則論みたいな話ではあるが、全員が全員、名も無いスーパーの冷めたおにぎりを食べる人々だとしたらそれはそれで問題だろう。俗に「お大尽」という言葉があるが、ひとかどの成功者なら貧しいはずもなく高級料理も当然食べる。

 

変な言い方だが、スーパーの冷めたおにぎりばかり食べているようでは、外交の場の晩餐会などで恥ずかしい振る舞いをしちゃうかもしれないという見方だってできる。

 

まあ、政治家は叩きやすい対象だから誹謗中傷に近い言葉がネットに飛び交うのもある意味仕方がない。やたらめったらバッシングしたがる昨今の風潮にあっては一種の有名税みたいな話だろう。でも、それ以外の分野においても何でもかんでも罵詈雑言を浴びせかける今の社会の空気は「さもしい」というちょっと古めいた言葉を今更ながら思い起こさせる。

 

品性が下劣、心根が卑しいというのが「さもしい」の定義だが、ネット上で匿名という安全圏に身を置きながらその場の思いつきで他人を傷つける行為はまさにそれだ。

 

ここでそんな嘆き節を書き殴ったところでキリがない。でも、そろそろ現役世代から旧人類という段階に入る年齢の私としては、牛丼屋での食事やコンビニ弁当をブルジョワの自慢かのように受け止めて誹謗中傷する空気が薄気味悪くて仕方がない。

 



 

 

 

 

 


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