台湾に行ってきた。マイルを使った無料航空券の関係で4泊というゆったり旅になったのでアレコレ変化球?を交えた時間を過ごした。
台北郊外に温泉があるので最初はそちらに宿を取った。北投温泉という日本統治時代に一気に開発された温泉地らしい。海外で温泉につかるのもオツだ。
北投亞太飯店(アジアパシフィックホテル)というリゾートみたいな名称の宿を取ったのだが、これが結構立派な和風モダン調の宿だった。部屋にはデカい浴槽があって白濁した源泉が堪能できた。
部屋風呂だけでなく大浴場も日本式で水着は不要。普通に裸で楽しめた。これまた白濁かつ硫黄臭プンプンの上等な温泉が溢れていた。サウナもあってのんびり過ごすには最高だった。
事前に北投温泉のことを調べている際は、電車の乗換情報とかがいろいろ出てきて面倒な立地かと思ったのだが、実際に行ってみれば台北中心地からちっとも遠くない。タクシーで30分弱の距離だった。
台湾の物価も日本並みになってきたが、タクシーに関してはかなり安い。到着当日に松山空港から北投温泉までが30分程度で4千円ぐらいだっただろうか。チェックアウト後に台北中心部に移動した際もその程度の値段だった。重い荷物を抱えて電車移動するよりタクシー利用が便利だ。
温泉街みたいな風情があるわけではないが、駅周辺にはそれなりの繁華街が広がっていた。マックをはじめ牛丼屋など日本のファストフードのお店もいくつも揃う。宿は朝食付きで手配してそれ以外は街をぶらついて現地メシを食べ歩くのがオススメだろう。
台北中心部も賑やかで楽しいが、3泊以上滞在するなら北投温泉に1泊することをオススメしたい。私なら2泊しかなくても1泊は温泉宿を選ぶと思う。そのぐらい気に入ってしまった。
台湾旅行を決めてから現地の野球関係の情報を見ていたら偶然にも私の滞在中に日本ハムファイターズが台北で親善試合をすることを知った。
ネットでチケットを予約。発券は現地のコンビニ限定だとのことでちょっとビビったが、思った以上にスムーズにコトは進み、晴れて台湾国民ご自慢の台北ドームに足を運んだ。
出来てまもない球場だけに実に立派だった。郊外にあるのかと思いきや市街地のど真ん中だった。球場外周には数え切れないほどの飲食店等が入っていてその場所すべてがテーマパーク的な様子だった。
この日は気温が26度ぐらいあったのだが、球場内は寒いぐらいクーラーが効いていて快適だった。試合前のセレモニーもレーザー光線バリバリの一大スペクタルショーみたいで気分もアガった。台湾側のチアガールはもはやタレント並みの人気らしい。
試合では万波選手のホームランが観られたし、昨年のプレミア12で大活躍した台湾の陳傑憲選手も目撃できた。ファイターズガールによる例のキツネダンスを生で観られたのも結構嬉しかった。
それより何より興奮したのが新庄監督の登場シーンである。試合前、両チームの選手が一人づつ紹介されてカッチョ良くグランドに出てきて整列するなか、大トリで姿を表したのが新庄ビッグボスである。
一人だけなぜか外野席方向からオープンカーで登場。試合直前なのにスーツ姿で手を振っていた。もはや謎めいている。エースでも四番打者でもない。監督である。世界広しといえども監督の登場シーンをこんな演出でやってしまうのは彼ぐらいのものだろう。
台湾での新庄監督の知名度が高いとは思えないのだが、あの瞬間は間違いなくドーム全体が大いに盛り上がった。野球観戦の雰囲気だとは思えない状態だった。ロックのライブかのような熱さだった。
それこそが新庄監督の凄さだろう。「野球観戦の雰囲気とは思えない」ような空気を作り出しちゃうわけだから、やはり余人を持って代えがたい。眉をひそめる人もいるだろうが、文句を言うより一緒に野球というスポーツのエンタメ性を向上させたほうが建設的だと感じた。
日本では武道の影響もあってスポーツの世界にも何かと窮屈な伝統や慣習がつきまとう。柔道や空手道のような「野球道」みたいな感覚だ。それはそれで子どもの教育段階における部活動では意義もある。
でも、プロの世界では違ってもいい。こと野球に関しては本場メジャーリーグのような突き抜けた陽気さがあったほうが楽しいと思う。
新庄監督が体現する野球のエンタメ性向上という路線は、結局はファン層の拡大や野球人口の裾野を広げることにもなる。
今年のプロ野球はやはりファイターズに注目したいと思う。
台湾旅行の話からずいぶんと脱線してしまった…。
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