銀座の鮨処「まつき」で念願のキンキの湯煮を食べた。このお店では釜揚げと呼んでいる。北海道を旅するたびに食べてみたかったので、ひょんな場所で味わえてラッキー。
キンキといえば塩焼きか煮魚が一般的だが、この釜揚げは、単純に水で煮る。少々の塩と出汁用の昆布くらいは入れているのだろうが、ストレートに湯騰煮だ。
写真は忘れてしまった。呆然と眺め無心に食べた。
脂が適度に落ちているものの、実にいい感じの食感。ホロッとほぐれる身は、そのまま食べてもジューシーかつ深く甘い味わい。
大将いわく、醤油をちょっと垂らして食べるのがオススメとか。やってみたら、確かにその通り、味が締まってこれまた絶品。塩焼きだったら大根おろしがないと醤油を使いにくいが、釜揚げだと、醤油だけが正解。
もともと漁師さんの賄い料理だったそうだ。船の上で調理するには確かに簡単だろう。網走出身の大将によると、漁師さんは、釜揚げキンキをどんぶり飯にのっけてウスターソースをかけて食べるそうだ。
キンキにソースとはちょっと微妙な感じもするが、炒めたソーセージにソースをかけて、にじみ出た脂とソースがマッチするとご飯が何杯でも食べられることを思い出した。結構、ソースキンキ丼、うまいかも。
塩焼きと違って、茹でてあるせいか、口に残ったキンキの小骨を取ったあとの指の脂っぽさが少なくて、この点も好印象。不必要にアブラギッシュにならない。
この日、「まつき」では、いつも美味しい山ワサビで食べるイカ、そろそろお別れのカワハギの肝、軽く締めたサバ、ボタン海老、北海道・岩内産のタラコなどを肴に呑んだ。
そのほか、珍味としてホタテの卵とやらを出してもらった。見た目も味も妙にエロティックスペシャル!だった。
このお店、いまはやりの凜としてキンキンとんがっているお寿司屋さんとは、一線を画し、どことなくくつろげる空気が気に入っている。クラブばかりのビルの3階だが、あまり同伴率は高くなく、年齢層やや高めの男性同士というお客さんが多かったりして居心地がよい。お値段もこちらの想像を外すことがないので、とても誠実だと思う。
2008年3月31日月曜日
キンキの釜揚げ
2008年3月29日土曜日
愛人、税務署、銀座
とかくリッチと評される人の場合、そのライフスタイルは石部金吉的ではない。仕事は別として趣味やさまざまな“活動”に精を出す人は多い。
高尚な趣味に没頭する人もいれば、女性道楽に命をかける人もいる。エネルギッシュな人なら両方こなす。
オーナー経営者の場合、ここで問題になるのが財布の使い分けだ。すなわちポケットマネーか会社経費かという問題。趣味や女性道楽に会社経費という観点は出てこないはずだが、現実社会はそう単純ではない。
オーナー社長向けの専門紙「納税通信」でも良く取り上げて多くの反響を呼ぶテーマだが、社長の公私混同とそれに関する実務処理は、世の経営者にとって大きな課題。
税務署だって、この部分を執拗にマークする。税務調査の定番ターゲットという事実が、世の中の実態を証明しているようなものだ。
実際に愛人作りに精を出すリッチマンは多い。そこに投入されるカネ、すなわちお手当に会社マネーが支出されることは珍しくない。
愛人を自分の会社で働いていることにして給料の形でお手当をまかなうようなパターンだ。愛人が実際に働いていないなら、架空人件費であり脱税になってしまう。
実際に勤務していれば、一応問題ないわけだが、それでも税法は制限をしっかり設けていて、勤務内容と照らし合わせて不相当に高額な部分は会社の経費に認めないという規定が用意されている。
税法では、愛人などという色っぽい表現はせず、「特殊関係使用人」と表現する。逆に艶っぽく聞こえるのは私だけだろうか。
要するに事務の女性社員が月給20万円なのに同様の業務に就いている愛人には月給が50万円至急されていたとする。差額の30万円は会社の経費に出来ませんよということ。
こんな規定が法律の世界に存在すること自体が、世の中に「社長の愛人」が大量発生していることを示しているようで興味深い。
ところで、まったく勤務などさせていないのに給料という形でお手当を出している場合、税務署にはバレないと考えている人は多い。
もちろん、調査が来なければバレない。でも、調査官がその気になれば、結構簡単にバレる。まず、架空社員だから愛人の分のタイムカードがない。社内の各種資料や文書類にも、愛人の名前が出てこないわけで、小規模な会社なら割と簡単に引っかかってしまう。
まあ小規模な会社じゃあないとこういう大胆な愛人採用作戦はしないだろうが、調査官が狙いを定めたら、オフィスで実際の社員に聴き取りなどをしなくても発覚してしまうわけだ。
ちなみに架空社員、本当の社員といったパターンの他、儲かっているワンマン企業なんかでは、新規事業進出とか新規店舗出店という形でオーナー社長が愛人に会社マネーを投入することがある。
「あそこのママはダンナにお店を出してもらった」などという話を夜の蝶達から聞くことがあるが、実態は企業の節税としての投資活動が背景にあったりすることも珍しくない。
こうなると経済活性化、内需拡大に愛人文化が貢献していると考えたくなる。
話は変わって、夜の街。この時期、集客のテコ入れのためパーティーという名の出動命令があちこちで飛び交っている。
店によっては、本物の桜を大ぶりな枝ごと飾って目を楽しませてくれる。南の方で暗躍すると聞いたことがある花盗人業者も今年は東京の桜がさっさと咲いたので商売あがったりかも知れない。
店の中でも桜は桜。たまにハラハラと着物姿のオネエサンの髪に落ちてきたりして、ちょっと風流。
この時期の銀座は、そんなかんだで普段より和装の綺麗どころを見かけることが多い。春を実感する眺めのひとつかも知れない。
なんかまとまりがなくなってしまった。季節を感じる画像を掲載するのでご容赦!
2008年3月28日金曜日
相続税の脱税と税務調査
大阪の脱税おばちゃんの話は、週刊誌もこぞって取り上げた。相続税では過去最高となる28億円もの脱税。隠した遺産は59億円を超える。
http://mfeed.asahi.com/kansai/news/OSK200803110042.html
遺産を59億円も隠しちゃう発想は、常人では理解不能。逮捕された64歳と55歳の姉妹の日常を週刊誌が話題にしたくなるのも分かる。いにしえの言葉だが、怖いもの知らずのオバタリアンの構図だ。ある意味、そこまでの図々しさを持ち合わせてみたい。
この事件、75億円の遺産があったにもかかわらず、申告されたのは16億円だったとされる。さすがにこれじゃあバレる。税務署、国税局の目はそこまで甘くない。
国税側にすれば申告書が提出された時点で、「脱税見いつけた!」って感じだったことは間違いない。
相続税は、故人が亡くなってから10か月後に申告書の提出期限を迎える。受け取った税務署は、その時点から、内容を確認しはじめると思われがちだが、地域の名士とか、それなりの資産家、企業オーナー達の相続については、生前から税務署にマークされている。
毎年の所得税の確定申告書、財産明細書、法人からの退職金や配当の状況、金融商品の取引データ、不動産の譲渡所得の状況などが、いわゆる名寄せデータで管理されているため、遺族が相続税の申告書を提出してきたら、累積されたデータとのつけ合わせ作業が事務的に行われる。
上記した脱税事件も、おばちゃん達の親は、75億円の遺産を残すほどだから、大阪国税局なり地域の税務署では、生前から重要管理対象になっていた可能性が高い。
税務署では、役場に出される死亡届で、相続の発生を把握する。当然、地域の重要人物に相続が起きれば、内部で蓄積されたデータを確認し、総仕上げの準備に入る。遺族があさはかな下心に突き動かされても、どうにもならないのが実態だろう。
相続税対策といえば、納税額そのものを節約しようという角度からアレコレ検討される。合法的に節税できるなら、どんどん検討すべきだと思うが、その一方で、税務署対策が見逃されているのが現状だ。
相続税を申告した人の3件に1件には、税務調査が行われる。よほど単純な案件に調査が来ないことを考えれば、一定額以上の相続税申告をしたら、まず調査ターゲットになると思っておいた方が無難。
国税庁のデータでは、相続税調査によって何らかの申告もれが見つかるケースは、全体の90%近い水準。
平たくいえば、相続税調査が入ったら、無傷では終わりませんよということになる。
応対するのは、遺産の内容を完全に把握し切れていない遺族。やってくるのは、連日相続税調査ばかりこなしている職人的調査官。どうしたって、遺族としてはペースがつかめないのが現実だ。
大きな書店に行けば相続税関連モノがどさっと並んでいるが、どれを見たって税務調査の具体的な様子は解説されていない。
日本中探しても、なかなか相続税の税務調査の全貌をひもといたテキストやツールは見つからない。
知る人ぞ知る「相続税調査のすべて」は、解説本、チェックシート、想定問答集、具体的な調査の展開を再現したDVD、元税務調査官の覆面インタビューDVDを網羅した構成。実名は書けないが、全国の行政官庁も多数購入している。
前記したように全体の90%近くから申告もれが見つかってしまうわけだが、その平均額は都市部では1千万円近く。脱税を意図したものでなくても、解釈の違い、思い違いで簡単にそんな金額規模になってしまう。そうした非常事態を少しでも招かないためなら「相続税調査のすべて」は、決して高くないと思う。
2008年3月27日木曜日
浅草の逆張り
この間の週末、1年に何度もないような絶好の散歩日和だった。知らない場所をブラブラするのが好きなので、その日も「江戸のまち歩き」みたいな本を片手に根津方面に行った。
ところが、お彼岸のせいか大混雑。どうせどこに行っても混んでいるのならと、江戸っぽさの総本山というべき浅草まで足を伸ばした。
浅草出身の私の祖父は、生前、時間があると墓参りついでに浅草寺周辺をふらついてから上野の弁天様にお参りに行った。子どものころ、祖父母にくっついて行ったのが私の浅草散策の原点だ。今でも1年に一度はあの濃厚な空気を感じたくてブラブラしにいく。
今回は、この街に漂う「逆張り」というコンセプトを改めて強く感じたことが散歩の収穫。
赤坂サカスのオープンで持ちきりだった週末だけに、あの手の先端スポットの対極的存在として浅草の面白味を味わった。
なんといっても、この街、いつ来ても我が道を突っ走っている。とくに場外馬券場近辺、花屋敷近辺の様子は独特だ。
大衆演劇の小屋の前も活況で、ひとつの世界が確立されている。張り出されていたポスターにもつい見とれる。出演者が誰だかよく分からないところがいい。
すべてにおいて、この街でしか成立しない個性が際だっている。週末だったため昼間から周辺の飲み屋は大盛況。赤ら顔のオヤジが幸福そうに焼酎を流し込む。チンドン屋さんが来たって、特別注目するわけでなく、むしろ、その音色は単なる日常といえるほど溶け込んでいる。
ここらへんの一杯飲み屋は、飲食店というカテゴリーにあって、ある意味ひとつの「逆張り」だろう。ハヤリすたりとは無関係、何も追わずに黙々と浅草の一杯飲み屋であり続ける。流行に背を向けるという姿勢自体が、ハヤリものを追っかける世の中の風潮への逆張りだ。
ヘルシーブーム、メタボ対策大流行の逆張りとして登場したメガマックとかメガ牛丼が大ヒット商品になった。路上禁煙がうるさい地域では、ある喫茶店が喫煙者専用という路線を大々的に打ち出して大繁盛だという。
昨今の商売でヒットといえば「逆張り」。最大公約数的発想の反対側をあえて目指す考え方だ。
浅草の濃い部分は、ひょっとすると徹底した逆張りの思想に基づいているのではないか。だから根強く支持され、すたれないでいる。
界隈の洋品店(あえて洋品店と表現したい店作り)の品揃えだって、普通に見れば、誰が買うんだろうというものばかり。
でも、この「普通に見れば」の「普通」自体が、逆張り思想にとっては格好のターゲット。実際、店先には次から次に商品を手に取るお父さんがやってくる。
この品揃えが魅力的で、馴染むから、駅周辺のデパートとか上野あたりではなく、ここに来るのだろう。ターゲットの明確化というビジネスの基本が守られているわけだ。
こっちの店も結構お客さんで賑わっていた。常識で考えれば、こういう品揃えは避けそうなものだが、徹底して原色ジャージ系がてんこもり。やはり「常識で考えれば」という根拠なき平凡な発想の向こうを張る「逆張り」が徹底されている。
実際、この界隈を歩いているお父さん達の着ているものは、他の街では少数派だろうが、ここではメジャー。上の2点の写真のような店で売っている定番だ。
思えば「花やしき」も逆張りだ。ディズニー系を頂点とするアミューズメント路線を真似る気配はなく、下町の遊戯施設などとあえて漢字で表現したくなる路線を歩んでいる。
何日か前のブログで、東京の街の香りが薄くなったことを嘆いたが、浅草の香りは依然として濃厚。ある種、東京の東京らしさが強く感じられる。
外国人や地方の人達で大賑わいだったが、東京人こそゆっくり散策するとその面白味がよく分かるような気がする。
これから桜の季節。浅草散策はオススメ。
2008年3月26日水曜日
マズいもの
これまでこのブログで食べたものをアレコレ書いてきたが、マズかったものは書いてこなかった気がする。私がいい人だからだろうか?それとも味音痴なのだろうか?
たまには毒も必要か。マズかった話を書いてみよう。あくまで個人的感想なので、気を悪くする人がいたらゴメンナサイ。
マズかったというより、「期待していたほどじゃなかった」、「あんまり美味しくなかった」という言い方にしよう。その方が紳士的だ。
一応、安いものがマズくても、いや美味しくなくても腹は立たない。結構なお値段を取りながらオヨヨだと気分が悪い。
先日、中野駅近くの旧丸井側の中野通り沿いのラーメン屋に入って、マズさにビックリしたが、安いラーメン屋さんに過剰な期待をした私が悪い。でも、普通のラーメンをどうしてマズく作れるのか不思議だった。
会社が池袋にある関係で、何度かアノ有名な大勝軒のつけ麺を食べた。美味しいと思わない。つけ麺という種類の食べ物がもてはやされていること自体に納得いかない。
大勝軒も閉店するとかで騒がれたとき、ヘリまで飛ばして中継した間抜けなテレビ局があったが、閉店したかと思ったら、違う場所でまたオープン。相変わらず人気だそうだ。マスコミも罪作りだ。
ラーメンをなんだかんだ論評する風潮が嫌いなので、最近食べたそれなりのお店で「?」だったことを書いてみる。
六本木の中華「楼外楼」。数年前に一度行った際に悪い印象はなかったが、最近行ってみてがっかり。結構バラエティー豊かにオーダーしたが、どれも「うーん」。
塩味系の炒め物は、口に入れた途端に科学の味。自然の旨味は感じない。
フカヒレの姿煮も期待していたほどでなく、後味が妙にしつこい。
高級路線の中華でたいてい外さない「福建チャーハン」、すなわち、あんかけチャーハンもただただクドい。他に頼んだものも推して知るべしのレベル。
続いて、赤坂、溜池山王そばの「ロウリーズ」。プライムリブで有名な人気店。お店は実に格好いい。エントランスの広さ・開放感など全体の雰囲気はゆったりしていて楽しい。
肝心のローストビーフは期待していたレベルではない。肉そのものの味が淡い。嬉しさや喜びが口の中で広がらない。結構残してしまった。ホースラディッシュもなぜかクリームと和えてあるので、まったく辛味や風味がなく、まるで役に立っていない感じ。もう少し、美味しくできそうなものだが、ちょっと高級なファミレスというレベル。
このロウリーズ、だいぶ前に仕事で行ったアメリカ・ロスで初体験した。アメリカではちょっと高級なチェーン店として評判も良かったので、会社の人間(おっさんです)とわびしく2人で行ってみた。
そんな不幸なシチュエーションだったのにとても美味しかった印象がある。日本の店は、使っている肉の質にそもそも違いがあるのだろうか。
悪口を書き連ねるのは、なんか楽しくないのでこの辺でおしまいにしよう。
2008年3月25日火曜日
節税ネタと情報の肝
バブルの頃、税務専門新聞の記者として、さまざまな節税ネタを取り上げた。いま思えば、首をかしげたくなるような内容のものもあったが、それがあの時代だった。節税効果が高い金融商品や不動産投資、各種設備投資ネタが随分あった。
国税当局も節税封じに躍起で、取材によって掴んだ節税規制動向などは、いろんな世界からヨダレもので情報開示を求められたが、さすがに横流しも出来ずに苦労した。
当時は、いわゆる“ちょうちん記事”の誘惑も多かった。「書いてくれたら○×をさし上げます」とか怪しい話がかなり寄せられた。
広告収入より購読料収入をメインにしている新聞の“立ち位置”もあって、なんとか甘い汁に骨抜きにされずにバブルの時期は過ぎた。
正直、いま思えば、もったいなかった、惜しかったと思うこともチョットある。でもそんなこと一応言えない(書いちゃってるけど)。それなりに突っ張ってないと、ペンを持つ仕事ってどうにもおかしな方向に行ってしまいがちだ。
安易なジャーナリスト論を振りかざすつもりはないが、報道関係ってそこは肝。不良業界誌が雨後の竹の子のように存在するのもある意味よく分かる。でもその一線が記事の質に天と地ほどの差をつけるのは間違いない。
話がそれた。節税ネタの記事の話だった。
最近は、昔のように全体が好景気という形ではなく、二極化、すなわち勝ち組、負け組がはっきりしてきた。それにともなって、儲かっている企業の節税熱も昔のように過熱してきた。
「納税通信」が今月取り上げたニュースでも高級クルーザーが売れている話に結構な反響があった。
売れ筋は「億」を超える価格のクルーザー。
当然、中小企業経営者の間では、ポケットマネーか会社の経費かという二つの財布論が浮上する話だろう。
税務署的視線はどうしたって硬直的。すなわち、「会社名義のクルーザーなど社長個人のつけ回しだろう」というもの。
個人的に楽しむものを会社の経費で購入すれば、税務署が突っついてくるわけだが、あくまで会社の福利厚生が目的であれば会社名義もあり得る話。
その福利厚生目的を立証するのは企業側の責任。あくまで実態は大事だが理論武装が明暗を大きく左右するのも事実だ。
税金の解説本や実務解説の雑誌類には、その手の情報は載っていない。オーナー社長専用新聞として「納税通信」にはそうしたヒントを数多く掲載している。
税金対策とひとくちに言っても、実際には税務署的視線を念頭に置かなければ、いざという時に困る。法理論ばかりの机上の知識だけでは心もとないオーナー社長の皆様にお勧めです。
2008年3月24日月曜日
ガソリン国会の裏側で
ガソリン国会のドタバタぶりに関する報道が過熱しているが、一般のメディア報道が触れない意外に大きな問題が急浮上している。
税金の専門紙「納税通信」では、この問題を何度も取り上げている。テレビや一般紙が取り上げない現象だけに、多くの読者企業が「納税通信」の記事によってオモテに出ない“税金アクシデント”に驚いている。実際に編集局にも危機感を強めている企業の問い合わせが少なくない。
要は、ガソリン税に関して揉めている法案は、ガソリン税だけの話ではなく、税制改正法案全体に関わっていることがポイントだ。
すなわち、ガソリン税問題を含んだ法案が3月末の年度内に成立しなければ、その他いくつもの重要制度が3月末で期限切れになる。問題の法案は、租税特別措置法の改正案であって、この中には、企業側が当然延長されるという前提で認識している各種優遇措置が含まれており、ガソリン問題の紛糾が続けば、その陰で優遇制度がなくなるというわけだ。
たとえば、中小企業がパソコンなどの機械装置を取得した際に、一定額を特別償却できたり、税額控除できる投資促進のための優遇措置もとりあえずの期限は、今年3月末。延長される予定にはなっているが、肝心の法案が成立しなければ、当然に失効する。
今回のドタバタ劇でも、結局、衆議院の優越によって、いずれは法案は成立する見込みだが、仮にそれが今年5月だったとすれば、今年4月に決算を迎える企業は、法律の空白というタイムラグによって各種の優遇措置が適用されないというトンチンカンな事態が起きる。
「ガソリン値下げ隊」といった名称で、大衆迎合的パフォーマンスを繰り広げた野党側の思惑通りに事態は進んでいるが、その一方で、広範囲に影響が及びかねない「とばっちり」も存在する。
一般メディアが報じないだけにコワイ話だ。