2009年4月22日水曜日

三原淳雄さん 金持ちイジメ


経済評論家の三原淳雄さんから電話をもらった。最新号のわが社の新聞へのお褒めと激励のために連絡をいただいた。わが社の新聞に昔から原稿を書いてもらったりしているのだが、もう随分とご無沙汰しちゃっている。

三原さんは、「金持ちイジメは国を滅ばす」という著書もあるほど、経済政策のためにはお金持ちの力を借りるべきという持論を主張している。

お褒めいただいたわが社の新聞では、1面トップで贈与税の非課税枠拡大について「小粒すぎて涙が出ちゃう」をメイン見出しに据えて特集。この論調に大いに賛同してもらった。

当初、編集部内でも新たな非課税枠の活用術みたいな記事を予定していたようだが、取材を進めるうちに見出しのような論調を前面に押し出した格好だ。

追加経済対策で決まった贈与税の非課税枠は500万円。あくまで住宅取得に限定した時限措置。当初、自民党内で出ていた非課税枠を2500万円程度に拡大する案に比べると物凄く小さくまとまった。

小粒の改正にとどまった理由はただ一つ。金持ち優遇はケシカランという相も変わらぬ社会主義的発想。空前の予算規模で計画された追加経済対策の議論でも、結局この“呪縛”からは逃れられなかったわけだ。

テレビや大新聞の報道では、今回の贈与税非課税枠の話は大きく取り上げられなかった。大衆迎合が本質である巨大メディアとしては、理屈で分っていてもお金持ちに有利な話には諸手を挙げて賛成できないのが現実。したがって、“小粒決着”を憂う識者の声はなかなか広まらない。

『納税通信』『オーナーズライフ』といった経営者サイドの視点による専門紙を発行しているわが社では、当然、冒頭のような立ち位置による論調を掲載する。

お金持ち応援的論調は日本のメディアの中では希有な存在と言っていいだろう。この階層の思いや声が重視されない社会構造は根本的におかしいと切に感じる。

昨今、富裕層マーケットが注目され、華やかな体裁による雑誌や各種コンテンツがあちこちにあふれかえっている。ただ、そうした富裕層向け媒体の根本的な問題が、単なる表層的な消費を煽っているだけという部分だろう。

税制や経済政策がどっちの階層に向いているか、お金持ちを冷遇する構造の問題とかに言及するメディアはどこにも無い。

消費対策、景気対策といえば、単純明快にお金持ちにお金を動かしてもらわなければ始まらない。そんな当たり前のことを前にして、いまだ金持ち優遇はケシカランなどとのたまうトンチンカンは考え物だ。

この期におよんで金持ち冷遇が当たり前という風潮は、一種の時代錯誤だろう。「男女7歳にして席を同じうせず」とか「男子厨房に入るべからず」みたいな古めかしい迷信にすら思える。

今後も立ち位置をはっきりさせた正論を展開していかねば。。。

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