2009年9月7日月曜日

銀座 さ久ら

この季節の薄暮の時間に妙に惹かれる。つい目的もなく散策したくなる。

日が短くなって、涼しい風も吹いてくる。風の匂いもどこか独特で季節が変わることを実感する。秋の訪れにちょっと高揚する感じだろうか。

先日、比較的早い時間に銀座8丁目界隈をうろついていた。散策気分になってしまうと、なかなか入る店が決まらない。お上りさんのようにキョロキョロする。

せっかく顔見知りになって、気に入った店がいくつもあるのに、どうして新しい店を開拓したくなるのだろう。昔から不思議に思っているのだが頻繁にそんな気分になる。

この日、はじめて訪ねたお店は8丁目のビルの地下にひっそりと構えるお寿司屋さん。店の名前は「さ久ら」。カウンター8席だけの小さめのお店。30代後半の大将が切り盛りする。

高級ホテルの寿司店出身だそうで、お店の雰囲気もどことなく洗練されているし、大将の人あたりもソフト。凛としすぎて窮屈な店とは違い居心地はよい。

お好みとおまかせをミックスしたような感じでアレコレ食べた。元々は日本料理出身ということで、酢の物にオクラが入っていたり、野菜をうまくアレンジしている。

この店ならではのオリジナルを随所に意識しているみたいだが、やり過ぎにならない程度なので素直に楽しめる。

この日食べた素材はみんな上等だった。シメ鯖もかなり上物、サンマも美味しい。煮アナゴのレベルも高い。

自家製塩辛も文字通り塩辛くて満足。純米酒をアレコレと勧めてもらっているうちにだいぶ酔ってしまった。

握りはコハダ、新イカ、昆布締めぐらいしか食べなかったが、締め具合もいいし、素直に美味しい。シャリがしっかり存在感があって嬉しい。正しい寿司飯の味だ。次回はもっと握りをたくさん食べたいと思った。

こういう遭遇があるから、散策ついでの新店開拓はやめられない。近いうちにまたお邪魔しようと思う。

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