人間のタイプをたかだか4種類に分けてアーダのコーダの指摘するのが血液型の話。うっとおしい、どうでもいいよと思いつつ、結構気にしたりする。
その理由は私がB型だからだ。ABは別格として、AとOの人に比べると、B型はだいたい変人扱いされる。
私の知り合いのB型も確かに変人ばかりだ。この事実は重い。私も少しぐらいは変なところがある。
凝り性というレッテルを貼られることが多いB型だが、確かにそういう傾向はある。興味のあることには没頭して、興味のないことは完全に無視してしまうところがある。
幼い頃からの勉強や人付き合いにいたるまで、「まんべんなく」ということがどうしても出来ない。一点集中主義みたいな感じだ。
靴を綺麗にしたいと思い込めば、週末の夜に平気で5時間ぐらい靴磨きに没頭する。バッティングセンターに行けば、最速のスピードに挑戦したくなって、いつも300球ぐらい打ち込んでしまう。
寿司屋のカウンターで大人ぶってみたかった30代の頃には、開拓と称して週に一度はひとりで見知らぬお寿司屋さんに飛び込んでアタフタした。
そういう変なところがある。執着しはじめると深く深く追求したくなる。
最近、突然「絵」にはまった。もちろん描くほうではない。私が描ける絵など、猫のように見えるライオンとか、新種の生き物にしか見えない犬とか、墓石の横にうっすら顔らしきシルエットが浮かび上がっている心霊写真のパロディースケッチぐらいだ。
絵画鑑賞などというとガラではないのだが、突然ビビビっと興味のアンテナが鬼太郎の髪の毛のようにピンピン張り詰めている。
ここ2~3ヶ月で絵画関係の本やらムックをやたらと買い込んだ。数えたら21冊もあった。もう10冊以上は読んだ。このあたりが典型的なB型気質なのかもしれない。
来月行く予定のフランスでも、熱病のように美術館めぐりに没頭しそうだ。どうしちゃったのだろう。
古い友人なら私の趣味が「絵画鑑賞」などと聞けば腹を抱えて死ぬまで笑うはずだ。気が狂ったとか、誰かにだまされているとか、真剣に心配してくれるはずだ。
自分でも突然の変貌ぶりが気持ち悪い。
日本人が好きなモネとかゴッホあたりの絵画が総じて日本の影響を受けている話なんかを読んだり聞いたりすると妙に背景などを知りたくなる。
その昔、日本人が有難がるマイセンあたりの西洋磁器のルーツが実は日本の伊万里焼につながるという事実を知って嬉しくなり、ちょっとした焼物マニアなってしまったのと同じような感覚だ。
モネの「睡蓮」の背景が日本庭園だというだけで変に興奮する。偏狭な右翼男みたいでイヤだが、そんなきっかけではまっていくのも悪くない。
何かを急に好きになることに理由は不要だ。心が命じるままに突き進めな良いのだろう。人を好きになるのと同じだ。理屈ではない。魂が求めるわけだからその流れにあがらっても仕方がない。
先日、長々と呑んだ仕事関係の知人。御年76歳。この人は、本業の他に源氏物語の研究ではプロレベルなのだが、その道に入り始めたのは50歳を過ぎてからだったそうだ。
中年になって突然、何かに目覚める人は少なくないようだが、私の「絵画鑑賞」もそんな「老化現象」の一種なのだろうか。
さてさて絵だ。西洋画の王道?のような宗教画はあまり興味がない。乱暴に言えば、キリスト教に畏怖を感じていないせいだろうか。学生時代「宗教」という授業がただただ熟睡のための時間だった不真面目さのせいで、どうにも聖書の世界に興味が湧かない。
普通の人間が暮らしていく上の喜怒哀楽やそれを生む背景を淡々と描いているような作品に興味がある。そうはいっても、抽象画みたいな難しいのも苦手だ。
単純に見ていて安堵する絵で、ついでに言えば時代背景や作者の境遇や環境なども予習できていればかなり作品の世界に入り込めるように思う。
というわけで、国立新美術館で開催中のワシントンナショナルギャラリーの展示会に出かけた。
印象派の有名どころが勢揃い。光や陰の表現が実に「印象的」だ。木漏れ日の描写や雲に映る西日の輝きなど、自然の景色の瞬間瞬間が巧みに彩られている。
まさに圧巻。奇跡のコレクションという表現は決して大げさではない。あれで1500円は格安だろう。音声ガイドを借りたり、図録集やグッズを買ってしまったので結構散財したが、それでもあんな値段で心が満たされるのなら悪くない。
力を持っている絵に出会うとエネルギーをもらえたり、逆にエネルギーを吸い取られたりする。実に面白い。もっと早く足を踏み入れておけば良かったと後悔。
やはり絵を眺めることは人生後半戦の趣味として悪くない。描くわけではなく、ただ眺めているだけだからお金がかからないところがまた良い。
いやいや、見たい絵があったら、居ても立ってもいられずに世界中の美術館に飛んで行ってしまう恐れがある。B型気質だから予算を考えずにそんな無謀な行動をしそうで少し心配ではある。
大西洋の固有種の魚の写真が撮りたくてカリブ海に何度も出かけたような私だ。
ハマショーのライブのためだけに一人でふらふら日本中に出かける私だ。
来月のフランス行きも、そもそも靴を買うためだけに企画したような私だ。
どうも理由を見つけてはどこかに飛んでいきたい習性があるようだ。この点は自制しないといろいろと大変だ。
今度のフランス行きは、結局「靴屋を訪ねる」、「名画を観る」。この2点だけで時間がすべて無くなりそうだ。
なんかそう書くと、ちょっと文化的だ。人様から見ればいっぱしの教養人のように錯覚してもらえそうだ。ウッシッシ。
行きと帰りに一泊づつ立ち寄るドイツ・フランクフルトのスーパーエロサウナ情報を収集中だったりすることは隠しておくことにする。
2011年6月22日水曜日
血液型 絵の世界
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2 件のコメント:
凝り性OK!
オランジェリでモネの睡蓮にどっぷり漬かってきてください。
まめ
まめさま
ありがとうございます。
オランジェリーに行く前にジベルニーまで出かけて、睡蓮の池をチェックしてこようと思います。
現物を見てからあの大作を見たら大興奮するような気がします。。
凝り性を自認する以上、そこまでやってやろうと密かに燃えています!
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