2017年12月13日水曜日

鳥取でカニを食らう

冬だからカニを食べに出かけてきた。目的地は鳥取県米子にある皆生温泉である。皆生と書いて「かいけ」と読む。

8年前にも訪れた場所だ。風光明媚な海沿いにいくつもの宿が建ち並び、塩分濃度の強い保温性の高いお湯が楽しめる。

至近距離には境港があり、冬の時期は名物・松葉ガニを堪能しながら温泉でポカポカできる。

冬の日本海はズワイガニの季節である。越前ガニ、間人ガニ、橋立ガニなど、エリアごとにネーミングされているが、山陰エリアでは松葉ガニだ。

細かい定義は知らないが、大ざっぱに言えば、こっちのエリアで特定の時期だけ水揚げされ、活ガニとして流通するまっとうなヤツのことを指す。

冬のズワイといえば、北陸のイメージが強いが、その分、上モノを食べようと思うとベラボーに高い。カニ一匹の値段で銀座のクラブで飲めちゃうレベルである。

ちなみにカニの数え方は、生きていれば「1匹、2匹」、そうでなければ「1杯、2杯」だそうだ。

15年ぐらい前に、突如カニ研究に精を出し始めた私も北陸に何度かカニ旅行に行った。美味しかったことより高かった印象のほうが強い。

その後、同じズワイでも山陰エリアのほうが値頃感があると聞いたせいで、鳥取に初めて行ったのが8年前である。

カニ攻めが目的だったが、皆生温泉の泉質が良かったので、今回も迷わず皆生の宿を選ぶ。

羽田から米子空港まで1時間程度。相変わらず貯まったマイルを使ってタダ飛び。空港からは境港がすぐそばで、皆生温泉も遠くない。

「山陰地方に出かける」と言うと、“はるばる感”があるが、実際には気軽に出かけられる場所である。


宿に入る前に、境港の「水木しげるロード」に寄り道。このエリアの定番だ。一種異様なまでの「鬼太郎推し」が境港の特徴である。通り沿いは妖怪のブロンズ像だらけ。

水木しげる記念館で目玉おやじの秘密を知る。ちょっと感動。

そんなことはどうでもいい。目的はカニである。

「菊乃家」という旅館を利用した。選んだ基準は、まっとうな松葉ガニをふんだんに楽しませてくれる料理プランがあるかどうかという一点である。

この宿には、活の松葉ガニを一人2匹以上使ったフルコースがあったのでムホムホしながら予約した。

大浴場の露天風呂が小さめだったのがやや残念だったが、部屋も綺麗で眺めも良く、全体的に接客も丁寧で快適だった。




刺身に茹でガニ、カニすき鍋である。茹でガニはさほど大きくなかったが、身入りがびっしりで食べ応え抜群だった。

なかでも最高だったのが、カニ味噌の甲羅焼き。酒のアテとして満点である。画像は撮り忘れたが、甲羅に盛られた生のカニ味噌をその場で熱して食べる。

そのままでもウマいが、刺身を絡めて良し、茹でガニの身にトッピングして良し、これぞ活松葉ガニの醍醐味という感じだった。


カニすきの後の雑炊も当たり前のように絶品で「しばらくカニは結構です」と言えるほど堪能できた。

カニはウマいだけでなく、カロリーも少ないのがエラい。無心にほじくっていると、ろくろを回しているような無心の境地に達するし、ほじくるので忙しいから酒をアホみたいに飲み過ぎずに済む。いいことづくめである。

甲殻類アレルギーじゃないことを神と親に感謝しないといけない。

ちなみに、ここまでズワイのことを誉めまくっておいて何だが、私は毛ガニのほうが好きだ。

わざわざ鳥取まで行って大枚はたいてカニざんまいしてきたのに、それが結論とは我ながらアマノジャクだと思う。

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