無理に若作りしているオッサンは嫌いだが、たかだか50歳ぐらいで枯れた雰囲気を漂わす男も好きではない。
そういう人はたいてい“男引退”みたいな言動が多い。「いい歳して・・・」「いまさら・・・」「この歳になって・・・」みたいなフレーズばかり使う。
別に中年だってアイドルに夢中になってもいいし、トライアスロンを始めたっていい。相席屋でナンパに励んでもいいと思う。わざわざ進んで枯れちゃうのはバカみたいだ。
落ち着きと覇気が無いこととは別モノだ。分かったような顔で若々しい行動を頭から否定するのは愚かだ。
とか言いながら、私もそんな態度を取ってしまうことはある。加齢の問題点の多くがそこかもしれない。
若気の至りという言葉はネガティブな意味で使われがちだが、中年世代はあえて「若気の至り精神」を取り戻さないと老け込む一方だろう。
面白いもので、若い頃は早く大人になりたくて背伸びしがちだ。私もそうだった。いま思えばトンチンカンである。
大人になりたいから、子どもっぽいことを否定し始める。ハジケたいのについ抑えてしまう。自ら去勢しているようなもの。つくづくムダな心掛けだった。
私の場合、40代を過ぎた頃からオトナぶることに限界を感じて、まあまあ自然体でいられるようになった。おかげで何となくラクになった。
バンドを組んで人様の前で歌うなんて昔は考えられなかった。30代の頃だったら「そんなのやってられるかよ」的な斜に構えた態度に終始した気がする。
さすがに無鉄砲になっちゃうのはマズいが、何でもかんでもオトナブレーキをかけるのは人生の損失だろう。
まあ、分別ヅラでじっとしている方が何かとラクチンだから、そうなっちゃう中年の気持ちも理解できる。でもそればっかりでは日々の暮らしが退屈になる。
その昔、フラれるのが格好悪くて遠回しに女性を口説いていた私も、今ではすっかり直球勝負になった。「白黒ハッキリせんかい!」ぐらいの勢いで攻めるようになった。 ような気がする。
エログッズを持参したら軽蔑されるのではとオドオドしていた若き日の私も今はいない。「物凄いヤツ買ってきてやったぜ!」ぐらいの恩着せがましさで突き進むようになった。
男たるもの、気持ちよがってる姿なんて見せてはいけないと我慢していたのも遠い昔だ。今では「ウォーウォ-、オーマイガッ!」などとアメリカのポルノ男優並みの雄叫びをあげるようになった。
ちょっとウソです。
「若気の至り」に話を戻す。若さは愚かさと表裏一体ではあるものの、何かに一心不乱になる情熱や真っ直ぐさは尊い。オジサマ達も時には見習いたいものだ。
それがたとえ真っ当な趣味とかじゃなくても、何かに没頭したり、真剣に向き合える対象があることは幸せだ。
犯罪じゃなければエグいことだってエロいことだって構わないと思う。何に関してもシラけた顔で達観したような態度しかできないオッサンよりはマシだ。
外見を必死に若作りしたって限界があるんだから、気持ちの面で“子ども返り”するのが正解だろう。
俳優の香川照之がEテレの番組で必死になって昆虫と遊んでいる姿を見るたびに、あの子ども返りした姿をうらやましく思う。
誰もが若かった日々に小っ恥ずかしいようなことに夢中になったことはあるはずだ。今になってそんなことに再トライするのも悪くない。
私の場合、少年時代は野球ばかりしていた。いま必死に野球をやったら骨折とか熱中症で死んじゃいそうだから困ったものである。
その後、四輪駆動のクルマに凝りまくってオフロードを攻めに行くサークルに入っていたこともある。思えば私以外のメンバーはオッサンばかりだったが、彼らの顔はいつも子どもみたいに無邪気だった。
ダイビングと水中撮影にもバカみたいに熱中した。病的なほどのエネルギーだった。自分にあんな情熱があったことが今では不思議に思える。
四駆ツーリングと潜水道楽はそれなりにやりきった気もするが、無理して新しい趣味を見つけるより原点回帰して再び熱中するほうが簡単そうだ。
いや、その考え方自体がが“守り”に入っているのかもしれない。
我がバンドメンバーの同級生の友人が作曲教室に通い続けて、無事に全課程を修了したそうだ。オジサマの挑戦として素敵な話である。
刺激を受けた私もこっそりとシナリオライター教室の資料を取り寄せたりしていることは内緒である。
相変わらず話がまとまらなくなってきた。暑さのせいだ。
オチが思い浮かばないから、私のケッタイな若気の至りエピソードを紹介する。ファッションモデル?を体験した話だ。
ガラにもないことに手を出すぐらい好奇心が旺盛だった。バカみたいだけど適度なバカのほうが楽しい気分になるのは確かだ。
http://fugoh-kisya.blogspot.com/2010/05/blog-post_14.html
2018年8月17日金曜日
若気の至り精神
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