久しぶりに新宿にある水炊きの名店「玄海」に出かけた。今年で90周年を迎えた名店だ。20代の終わり頃に仕事の会食で連れて行かれてからのファンである。
何が素晴らしいかって言えば、鍋の中に野菜が一切入っていない点である。まっこと正しき潔さだと思う。
ここのスープが絶品だ。スープだけで酒が飲める。“汁”がツマミになるなんて滅多にない。それもこれも野菜が鍋に入っていないからだと思う。しつこいか。
この日はわが母校のOBの集まりだった。玄海の4代目が中学高校の同窓とのことで、幅広い学年のOBが集った。4代目が15コも下だったせいで、私の代が最年長だったのはご愛敬である。
中心で仕切っていたのが2つ下の後輩だったから、そのあたりの年齢の人間が中心。顔見知りもたくさんいたし、見知らぬ後輩も知り合いの弟だったり、親戚だったりしてスグに馴染んでワイワイガヤガヤ。
いくつになっても、後輩と聞くと幼いイメージを勝手に思い描いてしまうが、名刺交換するたびに皆さんご立派な肩書きばかりでチョットたじろぐ。自分の年齢を改めて思い知らされた。
飲んでしゃべってばかりだったから、大好きな鶏スープが死ぬほど飲めなかったのが悔やまれる。いずれ発表予定の新メニューも試食させてもらったりと楽しい時間だった。
先月、このブログで「同窓のよしみ」を書いたのだが、この日もそんな有り難さを感じたひとときだった。
https://fugoh-kisya.blogspot.com/2018/11/blog-post_14.html
先週、TBSのぴったんこカンカンで、わが母校がやたらと長々と紹介される企画があった。俳優の香川照之が母校の社長さん達を訪ね歩くという企画だった。
笑えたのが、7~8人の社長さん達すべてにフランス国歌を歌わせたところだ。先月書いた私のブログでも旧友が集まるとナゼかフランス国歌を歌い出す怪しい習慣について触れたが、まさにそんな展開。
ファンション界の大御所・タケオキクチ大先輩にまで歌わせていた。わが母校関係者にとっては非常に楽しい番組だったが、あそこまで一私立学校に寄せた番組を全国ネットで放送しちゃって問題ないのだろうか。面白かったからまあいいか。
さて、新宿・玄海の宴会の話に戻る。このブログでは実に10年前にもウダウダと書いていた。
http://fugoh-kisya.blogspot.com/2008/06/blog-post_10.html
読み直してみたが、やはり「野菜が入っていない」という部分ばかり強調している。10年経っても自分がまったく進歩していないことはビミョーだが、あのスープの完成度はやはりタダものではない。
今の世の中、ラーメンブームのせいもあって、ギトギトしていたり、やたらと味が強いだけのスープがもてはやされている。
それに比べて玄海の水炊きスープは別格の存在だ。「滋味」という表現が的確だろう。旨味にあふれている。人工的なものとは一線を画した「命をいただいている」有り難さを感じる。
これから寒い季節だし、またすぐにでも行きたい。
そういえば、同窓が集まったこの日、みんなで盛り上がった割には、フランス国歌を合唱するのを忘れた。
最年長だった我々の代が言い出すべきだったのかもしれない。
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