銀座8丁目の「かに道楽」に行ってきた。何年ぶりだろう。やっと入れたという感覚だ。
「かに道楽」は数年前から中国人観光客に占拠されてしまい、予約したくてもいつも満席だと断られ続けていた。
銀座店の場合、爆買いが話題になり始めた頃から中国人旅行者に大人気となったようで、デカい店なのにいつでも満席状態が続いていた。
いま潮が引くように観光客がいなくなったわけだから、営業再開したとはいえ、かなり厳しいはずだ。
私がチョロっと食べに行ったぐらいで影響はないだろうが、日本の誇るカニ料理を応援するためにガツガツ食べてきた。
30代の終わり頃から「カニに詳しい大人になりたい」と一念発起してカニ研究に精を出した時期がある。
冬の北陸に何度もズワイガニを攻めに行き、鳥取、島根側のズワイとの違いを考察してみたり、北海道では毛ガニを中心に気が狂ったように食べた。ワタリガニのために九州・有明を旅したこともある。
今ではすっかりカニに詳しいフリが出来るレベルになった。たどり着いた私の好みは、断然、毛ガニである。
かに道楽はコース中心のメニューだが、アラカルトで食べ散らかすのがオススメだ。カニすき、カニしゃぶも美味しいのだが、野菜が付いてくるのが邪魔なので、ついつい単品の注文になってしまう。
野菜問題以外にアラカルトで食べる大きな理由が毛ガニの姿茹でだ。コースだと出てこない。毛ガニファンとしては、あくまでこれが主役だ。
上の画像のような黄色っぽいミソの色合いは活茹での証である。ミソの色が緑に近い色に変わってしまってもウマいことはウマいが、やはり黄色系こそが醍醐味だ。
かに道楽のウリのひとつが刺身だろう。カニは火を入れたほうが確実に美味しいが、刺身の甘みも捨てがたい。なかなか食べられる機会がないわけだから必然的に注文する。
ズワイの刺身とタラバの刺身だ。冷酒をカピカピ飲んでいる時には抜群のアテになる。あまり量を食べるものではないが、都会の真ん中でこれが食べられるのは貴重だ。
これ以外にもズワイのカニ酢やらカニミソ甲羅焼きなどを肴に冷酒を楽しむ。カニと冷酒の組み合わせにバンザイ三唱である。
カニが大好きとはいえ、カニカニしたモノばかりだと飽きちゃうので、禁断のカニグラタンやカニ天ぷらも注文してしまった。
カニはやたらとカロリーが低いからダイエットにも最適なのだが、あくまで茹でたり焼いたりじゃないと意味が無い。
衣をつけて揚げものにしちゃったらデブ街道の入口である。おまけにグラタンである。せっかくの「カニで痩せる」という狙いはもろくも崩れた。
それでもカニの押し寿司みたいな炭水化物にまでは手を出さなかったことは我ながら立派?だと思う。
クラブ街の灯りが淋しげだった。人通りも少ない。ほとんどの店が営業再開したようだが、さすがに客足が戻るには時間がかかるはずだ。
店内で距離をとって、マスクやフェイスシールド付の接客を受けてまで行く気になる人はかなり限られる。
皆さん、応援してあげたい気持ちはあるようだが、立場上、感染しちゃったらあちこちに影響が大きい人も多い。活況になるのはずっと先のことだろう。
この私ですら銀座8丁目で飲み食いしているのに、その後、クラブ活動に足を向けるという発想は出てこない。
気の毒ではあるが、こればかりは仕方のない話だ。クラウドファンディングで協力させられた店も無くはないが、どうにもならない話だ。
そういえばこの頃、まったく付き合いもなく会話を交わした記憶すら無いようなホステスさんからの営業メールがやたらと届くようになった。
生き残りに必死なのだろうが、闇雲に案内を出せばいいってものでもない。どんな業界だろうと今の時期は営業センスが試されていることを改めて痛感する。
4 件のコメント:
クラブ街もそして五輪も、安心して楽しめるようになるのは、やっぱりワクチン開発後になるのでは。従業員や選手には、気の毒ではありますが、現実は、そう感じている人が多いのでは。
若い人と中高年以上との意識の差が大きいから、夜の街での感染はどうやっても抑えられないでしょうね。
薬やワクチンに期待したいですが、幅広く行き渡るのには年単位の辛抱になりそうで気が重いです。
食べ物の好みは人それぞれでよいと思いますが
元道民としては、毛ガニが一番とは嬉しい限りです。
タラバ(生物分類上はカニではありませんが(笑))は
食べやすいしカニガッツリ食べた感が得られますが
毛ガニはカニのうまみが違うように感じられますね。
市場の方も観光客には食べやすいからタラバをすすめるけど
地元の人は毛ガニを買う方が多いとおっしゃってました。
コメントありがとうございます!
タラバはヤドカリだったかザリガニの仲間でしたよね。あれは大味な感じがしますよね。
毛ガニはホジホジするのが面倒ではありますが、その行為自体が喜びに思えます!
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