2021年7月2日金曜日

全裸監督シーズン2




 

6月末から配信が始まった「全裸監督シーズン2」。先週某日、待ちに待っていた私はさっそく1日で全話観てしまった。ただただ面白かった。

 

シーズン1の衝撃もそのまま、よりスケールアップした感じで楽しめた。一言で表現するなら「プロ集団の本気」に尽きる。名優達の熱演が印象的だった。

 

かの村西監督に憑依した山田孝之はもちろん、豪華キャストが重要な役どころを抑えており見応え抜群だった。

 



 

國村隼演じるヤクザの親分はやたらと恐いし、リリーフランキー、ピエール瀧は相変わらず不良刑事と怪しげなビデオ屋のオヤジを熱演している。

 

前作から引き続き出演している満島真之介や玉山鉄二も最高だ。玉山鉄二は朝ドラ主演俳優という看板を脱ぎ捨て、今回も激しく自慰行為にふけるだけでなく緊縛宙吊りプレイまで披露している。

 

どの出演者の皆さんも、まさにあっぱれのプロ根性である。

 



 

アノ時代をリアルタイムで覚えている世代にとっては単純明快に面白い。一種の郷愁にも浸れる。

 

新宿や渋谷の風景もCGで忠実に再現され、服装や携帯電話、クルマに至るまで当時の空気感をしっかり漂わせているのが素晴らしい。

 

まだまだアナログだったものの、その分、無邪気で明るいエネルギーに溢れた時代だったことを痛感した。

 

作中にも出てくるのだが、ちょうどヘア解禁の頃である。エロの捉え方がそれ以前の時代とは大きく変化する過渡期だった時代の設定だ。

 

ワキ毛の女王・黒木香が一世を風靡した頃、私は大学生だった。家庭用ビデオデッキが一家に一台から徐々に一人一台ぐらいにまで普及していた記憶がある。

 

若者はレンタルビデオ屋に足繁く通い、普通の映画と一緒にこっそりエロビデオを借りるのが一般的な生活パターンになっていた。

 

レンタルビデオ業界はもちろん、ビデオデッキメーカーだって、好業績を支えていたのは紛れもなくエロビデオだった。

 

スケベなエネルギーが世の中を進化させる典型的な例が当時のビデオをめぐる世相だった。

 

プロ集団の話に戻る。バブルの頃の怪しげな銀行員を演じた吉田栄作も良かったし、村西監督をイビるバブル紳士役の伊原剛志のウザい感じも時代感を表していた。

 

他にも石橋蓮司、室井滋、宮沢りえも良い味を出していたし、ちょこっとした役で永瀬正敏や小雪なんかも出てくるから飽きない。

 

言い古されたことだが、コンプラだの自主規制だとかで自由な表現が出来なくなっているテレビでは絶対に作れない作品だ。

 

裏を返せば、こういうネット配信専用番組がどんどん一般化すれば、テレビドラマのいわゆるオワコン化は想像以上に早く進むかもしれない。

 

思えば、今の自分が思うエロの在り方は「村西監督」が大活躍していたあの頃を境に変わったような気がする。同世代の男性は無意識ながらも村西監督の影響を受けているはずだ。

 

秘め事みたいな感覚が明るく開放的に変わった。世の中全体にそういう変革をもたらしたのは事実だろう。振り返ってみれば「エロのプロ集団」が歴史を作っていたわけだ。

 

セックスのことを「エッチする」と表現するようになったのは1980年代だ。エロビデオが一気に普及して若者男子の必需品となった頃と重なる。そういう時代の空気感の象徴が村西軍団だったのだろう。

 

無邪気だった時代を思い返しながらこの作品を楽しむのもオススメだ。大袈裟に言えば自分の人生の一時期を振り返っているようにさえ思える。

 

 ついでだから予告編動画を貼り付けておきます。


https://www.youtube.com/watch?v=tNTyzHdTvCA





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