2022年6月27日月曜日

たまごバンザイ


タマゴを食べ過ぎてはいけない。誰でも聞いたことがある定説だ。その昔は11個までという不文律みたいな話をよく聞いたが、その後、国の見解や各種学説などによってそんな常識も過去の遺物になった。

 

鶏卵の業界団体では「12個」を勧めるキャンペーンを展開しているし、特別な疾患がなければ個数なんか関係ないと主張する人も多い。

 

私もタマゴが大好きだ。無制限に食べたいが一応はコレステロールが高めなのでバカ食いは避けている。つい多めに食べちゃったときは「110個だって問題無し」などと書かれているネットの情報などを読んで納得するようにしている。

 

タマゴ個数問題をネットで調べてみると実に面白い。「110個食い」を何ヶ月も続けて血液検査の結果を分析している人なんかもいて楽しい。総じてコレステロール値などに変化はないという有難い情報ばかりだ。

 

最近食べたタマゴ料理で感激したのが新橋で通りすがりに入ってみた串カツ屋で出会った半熟卵の串揚げだ。反則レベルのウマさだった。一度に5個ぐらい食べてみたいと思ったほど。

 




 並んだ串の中で丸いボール状の1本が半熟卵である。恐る恐るかじってみるとトロリとした黄身とソースをまとった衣の味が混ざり合う。実にエロティックな味わいだった。悶絶した。

 

半熟卵ってつくづく罪深いヤツだと思う。あの官能的な黄身は箸ではつまめず上手にすするように食べないと流れ出してオサラバになってしまう。そのはかなげな感じが愛おしい。

 

半熟よりやや火が通った状態も捨てがたい。次に紹介するのは茅場町と八丁堀の中間ぐらいにある「新川・津々井」のオムライスである。

 


 

タラバガニのとろとろオムライスと名付けられた一品はオムレツでくるむのではなく溶き卵にケチャップライスを混ぜ合わせてオムライスの形に整えられている。

 

両脇に2種類のソースが用意され好みに応じて混ぜ合わせて味わう。普通のオムライスも大好きだが、混ぜ混ぜバージョンは意表を突かれた感じがして楽しい。プロじゃなきゃ作れない老舗洋食店ならではの絶妙な味わいにこれまた悶絶。

 


 

この日は混ぜ混ぜバージョンのオムライスとは別にプレーンオムレツも白ワインのツマミとして注文。これがまた実に完成度が高くそれこそ何個でも食べられそうな美味しさだった。とろとろ過ぎず固すぎず誰もが大きくうなずくような仕上がりだった。

 


 

ついでに生ベーコンの鉄板焼きカルボナーラ風味という名のタマゴ好きには堪らない一品も頼んでみた。これまた反則級の味にウットリする。

 

「タマゴは110個食べても大丈夫」。そんな都合の良い呪文のような言葉を頭の中で繰り返していればこんな食事も素直に楽しい。幸せな気分で美味しく食べれば何を食べても身体に良いと誰かが言っていたし、そんな気分で過ごせばきっとカロリーだってゼロだろう。

 

一応、前の日にタマゴをたくさん食べたら次の日にはなるべく控えるようにしている。せいぜい焼鳥屋でウズラの卵を食べるぐらいにして済ませる。

 


 

ウズラの卵も半熟が美味しい。半熟パターンは気が利いた焼鳥屋さんぐらいでしかお目にかからないので、以前は自分で作り置きしたこともある。

 

半熟にした状態で1日ほどウナギのタレにつけ込み、再度軽く温めて食べたヤツが自分史上最高にウマいウズラの卵だった。ウマ過ぎたのでもう作っていない。エンドレスで何個でも食べちゃうのでさすがに身の危険を感じて封印している。

 

世の中にゴマンとあるウマいものの中で間違いなく上位にくるのがタマゴ系である。目玉焼き、オムレツ、温泉卵などタマゴそのものをストレートに味わう料理が、結局はどんな手の込んだ料理よりも私の心を揺さぶる。

 


 

ついでにいえばTKGである。醤油次第とも言えるが、好みの専用醤油をお供にしたタマゴかけご飯は私にとって食におけるリーサルウェポンである。

 

数年来欠かさず愛用している「人形町今半・玉子かけご飯醤油」を投入するのが私の基本パターンだ。すき焼きの割下チックな風味がTKGを引き立てる。


米は山形の雪若丸。硬めに炊くのが鉄則である。粒立った食感と甘味が最高だ。人生最後に食べる一品は何かと聞かれたら私はこのTKGを選ぶと思う。

 

 

 

 

 

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