都心の桜の季節が終わったようだ。今年はヘンテコな気候のせいでわりと長く桜を楽しめた。3月末の暖かい日に一気に咲きだして一週間はずっと見頃だった。
夜桜が3月28日、そのほかは4月6日に撮影した。今日(9日)の段階でも都心部ではまだまだ見頃の樹はあちこちで見られる。
桜より梅のほうが断然好きな私だが、さすがにこんな姿を見せつけられてしまっては足を止めて見入ってしまう。
思えば高校生の頃、満開の桜に興味を示さない私に母親が「しっかり見なさい」と口うるさく言っていた。当時は情緒のカケラもない子供だった。今ぐらいの歳になると桜から人生の郷愁や感慨を覚える。
「あと何回見られるのかな」。そんな感覚も数年前から沸き起こるようになった。そりゃあ平均寿命まではまだ随分あるが、平均点すら取れないバカな子供だった私が平均にまで達するとは思えない。
健康面に問題がない前提で考えるなら残り10回程度はいけると思うが、今年の後半にはいよいよ還暦を迎える。そろそろ何が起きても不思議ではない段階に入るのも確かだろう。
言霊とやらもあるようだからそんなことを言うとホントに10回で終わっちゃいそうだ。とりあえず「あと15回」と叫ぶようにしようと思う。
話は変わる。
先日、突然歯を抜くことになった。これもある意味で加齢が要因の一つである。虫歯でも歯槽膿漏でもないのに上の奥歯に近い歯を一本だけ抜くハメになった。
歯ぐきの違和感をチェックしてもらったところ、歯の奥の骨が割れていることが判明。横に割れているなら土台に積み重ねる感じで治療のやりようもあるらしいが、タテに割れていた。
抜くしか選択肢がないらしかったので渋々頑張ることにした。思えば歯を抜いたことは人生で一度もない。若い頃は不摂生で虫歯だらけだったが抜歯までいく事態にはならなかった。
問題の歯は若い頃に治療済みの歯だった。当時の治療で神経を抜いてあったのだが、それが時間の経過によって歯の骨を弱らせていた可能性があるらしい。強く嚙んだりした何かの拍子で骨が割れたみたいだ。
さてさて、私は歯医者さんに行くと尋常ではないビビリマンに変身する。十数年前に重症の虫歯治療の際に一瞬気を失いかけたほどの激痛を経験して以来トラウマになってしまった。とにかく歯医者さんに行くだけで血圧は上がるし肩も凝るしヘロヘロになるのが標準パターンだ。
定期的に歯のクリーニングに行く際も「怖い怖い」と言い続けて歯ぐきに塗る麻酔をベッタリ塗布してもらってから掃除してもらう。ゴキブリに遭遇するのと歯医者さんに行くのとどっちがイヤかと言われたら迷わず歯医者さんを選ぶ。
そんな私だから抜歯当日も死刑宣告を受けたぐらいの表情で治療台に座り、とにかく麻酔をブリブリうってくれ、なんなら全身麻酔でやってくれ等々あらん限りのビビリ発言をかまして歯医者さんに苦笑された。
で、抜歯開始。麻酔の効き具合をしっかり確認してもらってから何だかモゾモゾ始まった。すべての神に必死に祈る私。全身が力みまくって大変だったのだが、10分もかからないぐらいで終了。拍子抜け。
ホッとしたがとにかくグッタリである。歯を一本抜くぐらいでこんな調子なら、いずれ大病になって手術することになったらどうなってしまうのだろう。心配である。
痛み止めのおかげで抜歯した箇所も思ったほどは気にならずに済んでいる。一か月ほど放置してその後は一本だけ入れ歯を作ることにした。「入れ歯」という言葉を聞くだけで自分が「中年」を卒業して「初老」に突入する現実を突きつけられた感じだ。
とにかく日頃から歯のチェックを怠らずにいてもひょんなことで抜歯する事態も起きるという“老い”ならではの悲哀を痛感した。
めげずにキックボクシングに精を出すことにしよう。でもマウスピースもしたほうがいいかもしれない…。
2 件のコメント:
私も縦に割れて奥歯抜きました。インプラントにしないで、ブリッジにしましたがどうなのかな?良い歯も、削るのに抵抗感あります
コメントありがとうございます!
ブリッジだと左右の歯と運命共同体になるらしく、インプラントも高い割に一生モノではないようなので悩ましいですよね。
一応、面倒ですが金具が見えない1本入れ歯にしようと思っています
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