2008年11月7日金曜日

ソウルで見たお金持ちの世界

円高ウォン安が猛烈だとのことで、韓国・ソウルに行ってきた。家族旅行で近場に行こうと画策していたが、なぜか韓国になってしまった。ひとり旅じゃないので、いたって健全な旅・・・。

まだ寒くもなく、天気も良かったのでブラブラ散歩しながら読めない看板を凝視してハングル酔いを楽しんだ。ノンビリしたかったので、ホテルは江南地区のグランドインターコンチネンタル。広めの部屋を取ってそこそこ快適に過ごした。

江南地区はいわゆる新興エリアで、東京でいえばベイエリアのようなものだろうか。東大門、明洞あたりの騒々しい感じはまったくなく、落ち着いた雰囲気。

グランドインターコンチネンタルは、新羅ホテルに次ぐ格式があるといわれる高級ホテルだが、巨大モールやデパートにも地下でつながっており、ホテルに缶詰めになって過ごす心配もない。

大きなホテルではあるが、高層なので、敷地全体の動線は問題なし。毎晩通ったホテル内のサウナにも部屋から簡単に行けるし、朝食のやたらと豪華なビュッフェレストランにもエレベーターで簡単にアクセスできる。

クラブフロアも同様、いちいち建物内の移動が大変なホテルは多いが、その点、このホテルは便利。高層階に宿泊すればクラブラウンジの軽食、飲食サービス、サウナも無料、使い倒せばかなりお安いオススメのホテルだ。

もっともこの実感もウォン安のお陰だろう。
ホテルレストランは別として、街なかでの食事やちょっとした買い物、タクシーの移動、どれもが妙に安かった。1年前の半値ぐらいという指摘もあるようだが、為替レートの観点から、もっともオイシイ時期に旅行できたのはラッキーだった。

つくづく家族旅行じゃなかったら、強い円をバックに相当イケナイことをしてしまったような気がする。それはそれで困ったもんだから、良しとしよう。

今回の旅行で印象的だったのが、韓国の階級差について。もともと身分制度が近代まで徹底していた国だけに、いまでもいろいろな因習があることはよく聞く。

今回感じたのは、そうした制度的な面ではなく、「金持ちか否か」が実に明確に線引きされていた部分だ。

狎鴎亭洞(アックジョンドン)というエリアには、その他の街とは明確に異なる空気が流れ、歩いている人、走っている車、並ぶ店それぞれが完全に超高級指向に貫かれている。

ちょっとしたカフェやブティックでもバレットパーキングが当然のように用意され、他の街の高級店とは別個の“住む世界が違う人だけ相手してますわよ”的なオーラがプンプン。

ベントレーやマセラッティ、カイエンターボあたりをゴロゴロ見かける。ソウルでは、ドイツ車、日本車を笑っちゃうぐらいそのまんまコピーしたモノマネカーをイヤッというほど見かけるが、このエリアにはそれがない。ちょっと驚く。

「メンジェー店」で正札から5割引とかになっているネクタイを買って喜んでいる私にとっては、妙に居心地が悪いほどハイソ感が漂う。

暇にまかせて人間ウォッチングをしてみたが、歩いているオバサン方の身に付けているものは見るからにセレブ風。みなさん髪型が崩れたパンチパーマ風なのはご愛敬だが、なんとも独特。ディープなソウル旅行では味わえない一断面だろう。

以前ソウルに旅した際にもタクシーの運転手さんに頼んで高級住宅街を見学したことがある。東京の場合、高級住宅街といっても合間合間に普通の家も混ざっているのが常だが、私が見て回ったエリアにはそれがない。すべて豪邸。豪邸というか、豪邸であることが見えないぐらい高い塀に覆われた要塞みたいな家が並んでいた。

東京には本当のお金持ち専用エリアってあるだろうか。部分部分ではそういう要素もあるだろうが、あちらのように純粋に区分されている印象はない。エセリッチが歩いても楽しめるところばかりだろう。

今回ソウルで見たのは、エセリッチではきっと退屈するぐらい完全な金持ち御用達地区。実に興味深かった。

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