また函館に行ってきた。なんかクセになっている。ここ4~5年の間に10回は行っただろうか。すっかりホームタウンのつもりだ。
北島三郎記念館と夜景鑑賞はなぜか未体験だったが、今回は夜景のほうに初トライ。思っていた以上に素晴らしかった。数日ぶりに綺麗に見えた日に当たったらしく、翌日はまた曇っちゃったのでラッキーだった。
いつもは、夕方以降に函館入りして、さっさと珍味とアルコールに取り囲まれるのだが、今回は羽田発朝一便を利用。9時には到着してしまった。
レンタカーを借りて恵山のほうへ。とくに目的はなかったが、なんとなく海沿いをドライブ。1時間ちょっと走ったら「とどほっけ」という凄まじい名前のエリアに着く。
漢字でどう書くかは忘れた。「ホッケをむさぼり食うトド」がウロウロしてそうな場所かと思ったが、穏やかな景勝地で花に囲まれた灯台なんかもある。
水無海浜温泉とやらが名物らしいので行ってみた。結構ワイルドだ。海にそのまま浸かる感じ。一応、しっかりお湯が湧いている。ぬるめでいつまでも入っていられそうだ。
波の音を聞きながら極楽気分になれる。よく見ると小魚が泳いでいたり、カニの死骸が転がっていたり、ちょっとギョッとするが話の種にオススメ。
今回も宿泊先は「湯の川プリンスホテル渚亭」。海沿いの露天風呂が私のお気に入り。相変わらず夕食無しのパターンで予約。今回は部屋にも小さな露天風呂が付いていた。
部屋付き露天からの海の眺めも悪くない。とはいえ、大浴場の露天風呂が素晴らしいので部屋の露天には2泊で1回しか入らなかった。ちょっともったいない。
夜景と変な温泉の他に初体験だったのが、「ころぽっくる」という和食屋さんだ。私の場合、函館ではお寿司屋さんを攻めるのが基本パターン。2泊3日で5件のお寿司屋さんをハシゴしたこともある。
「ころぽっくる」は、居酒屋路線ではなく、ちゃんとした和食屋。地元の有名店。いわゆるちゃんとした店だ。郷土料理屋さんというジャンルだろうか。
コース中心なのかと思っていたが単品もあるらしい。大型の毛ガニも常備しているらしい。カウンター席に陣取って旬のウマイもの三昧の時間を過ごした。
生きているイカがこの時期の函館のご馳走だが、前菜代わりに小ぶりな活イカをさばいてもらう。真イカ特有のコリコリ感が堪らない。殺したての割には?甘みもあって抜群。
ゲソの部分はタタキ風に細かくアレンジ。ゴロ(わた)がまた泣きたくなるほど旨い。上質なウニに匹敵するほどクリーミーでコッテリ。さすがにこの時期の真イカのゴロは函館ならではの“スター珍味”だ。
前菜の2番手にウニ刺しも頼んでみた。こちらも上質な旬の生ウニだ。文句なしに旨い。カニを食べに来たのに一体私は何をしているのだろう。
さてさて毛ガニ。こちらの店では、800グラム以上の毛ガニしか扱わないそうだ。相当大きいサイズだ。まずは脚の洗い。冷水でシメて花が開いた状態で登場。
甘くて甘い。そのうえ甘い。単に生で食べるより、冷水でシメたせいだろうかエグみのような雑味は感じない。うっとりだ。
網焼き状態の甲羅ミソ焼きが運ばれてきた。ほぐした身の肉と味噌を和えて食べるのだが、サイズがサイズだけに食べ応え抜群。大きい毛ガニはミソがイマイチとかいわれるが、全然問題なし。官能的な味だ。
ほくほく、ふーふー言いながらアッという間にたいらげようとした私にお店の大将がカウンター越しにストップ指令。
命令に素直に従って、おあずけを喰らった犬のようにおとなしくしていた私の前に運ばれてきたのは“神の水”だ。熱めに燗されたお酒が登場。甲羅酒だ。
少し残した身やミソ、そこから出た水分が混ざり合って絶妙な旨味が私の全身全霊を幸せに導く。この甲羅酒を前にしたら、ダイナバイト・バディのセクシーオネエチャンに誘われても毅然と断れる自信がある。
続いて毛ガニの脚身のてんぷらだ。毛ガニの味自体が濃いので衣に風味が負けていない。初体験の味だ。最後に鉄砲汁。細身の脚をたくさんぶち込んであるので、最高のダシが出る。言うこと無し。
料理は丁寧、素材も上質、味も良い。お店も綺麗で接客もキチンとしている。なんで今まで来なかったのだろう。
お寿司屋さんめぐりばかりしているとはいえ、海鮮系居酒屋にはアレコレと行った。中途半端な素材に雑な料理で落胆したことも何度もある。この店をもっと早くから知っていれば良かったと痛感した。
2009年7月7日火曜日
函館 ころぽっくる
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