先日、中学高校の同期会があった。小学校、幼稚園からの旧友も多く、見納め?になりそうな先生達にも随分参加してもらったので大盛況だった。
あの楽しさやワクワクする感じってどこから来るのだろう。独特な高揚感がある。単なる懐かしさとは違った「巣の中にいる安心感」みたいなものだろうか。
偉くなったやつ、有名になったやつ、凄い人になったやつ、妙にデカくなったやつ、芸術的に禿げあがったやつ、ちっとも変わらないやつ等々。実に様々。
職業も趣味嗜好、生き方も考え方も違うのだろうが、幼い頃をともに過ごして、さほど規模の大きくない学校で同じ空気を長年にわたって吸った者同士が感じる不思議な連帯感がある。
せっかくの場を利用して営業活動に励むような面倒なやつがいるわけでもなく、今更何者になっているかを自慢するやつも見当たらず、ただただ愉快に過ごす。
恩師のスピーチがあっても、黙って聞く人、チャチャを入れる人、ばっくれてタバコを吸いに行く人などなど、キャラはウン十年前とたいして変わらない。
私などは最前列でノートを取りながら先生の話を聞くタイプだったから、この日もそんなキャラ通りに過ごした(大ウソです)。
「巣の中にいる安心感」と表現したが、人生の折り返し地点を過ぎてしまった今、それぞれが突きつけられている人生の騒々しさを考えれば、「巣の中」でヌクヌクしていた感覚が無性に愛おしい時間だったことに気付く。
母校の校風が独立独歩のタイプを生みやすい環境だったのか、安定だけが美徳みたいな生き方をしている人間は比較的少ない。
せっかく入った大企業をさっさとやめて起業するような個性派も多い。一国一城の主みたいな道を歩む苦労は時に全てを投げ出したくなるほどシビアだろう。そんな面々だけでなく、組織の中で闘っている連中だって年齢的には過渡期にあるはずだ。
直面する現実の中でウツウツする局面もしょっちゅうあるのだろうが、「巣の中」で一緒だった顔ぶれと交われば、一気に少年モードに戻る。
まさに「無邪気な中年集団」。関係のない人が見たら異様な光景だったのだろうか。
少年の頃の無垢な感じが削げ落ちていても、当時の感性がよみがえる瞬間は心地よい。おまけに男子校だから、一部のオカマちゃんを除き?同窓会シンドロームみたいなウサン臭い話にもならない。実に小気味の良い時間だった。
さて、40代半ばを過ぎた男たちを俯瞰すれば、アホガキ感覚で騒いでいても、この年代が今の社会の中心選手であることを実感する。それ自体信じがたいが、年齢的にどうしたって社会の中枢に位置している。
いつのまにか、「大人の男」を演じなければならない立場になってしまった。
気付けばこの国の「大人の男」って曖昧な基準で型にはめられているような気がする。不本意ながら型にはめられそうな窮屈な切迫感が、「巣の中」にいた時代を心地よく感じさせるのかもしれない。
熱くなりすぎない、冷静沈着にことにあたれ、我慢こそ美徳、青臭いことは悪だ、夢みたいなことを言うな等々。そんな空気に流されて面白味のないオッサンになることが「大人の男」になることだと思ってしまうのが普通の男たちの現実だろう。
30代も後半になると、そんな窮屈さに身を置くことも当然の道程だと錯覚しがちだが、そんな時期も過ぎると、「なんか腑に落ちねえな」と首をかしげたくなる時がある。
「男の子」の部分を取り戻したいと焦るような感覚だろうか。しょせん、女性よりも大幅に平均寿命が短い生き物が男だ。幼稚な抵抗心、反抗心が心の隅に渦巻く。
そんな感覚だから女性よりも早く死んじゃうのかもしれない。
最近、つくづくそんな事を考える。型にはまったオッサン道を歩む人生を漫然と受入れたくない、もっと冒険したい。脱線しちゃおうか、生臭く生きていきたいぞ、などと考える。
闇雲に暴れても仕方がないが、闇雲に秩序や規制に従い続けるような男でもいたくない。
反骨心だのアウトローだの、そんな大袈裟な路線を求めるつもりはないが、「ひと癖もふた癖もある男」でいたいとは思う。徒労かもしれないそんな悪あがきのような習性こそ男に生まれた証だと思う。
非道に走らなくても、社会の安寧のために安直に絶対視されている些細な道徳に自分の人生を手玉に取られるのはシャクだ。
おっと、随分と力んだ書き方になってしまった。格好つけすぎか。大層なことを考えているわけではない。いろいろイライラが募っているだけだ。
そういえば、ごく最近の話なのだが、幼稚園から一緒だった旧友のブログで私のことが「総番長的だった」と表現されていた。ドヒャーって感じだ。こんなにキュートな私を評するには不的確だと思うが、どっちにしても、いまさら優等生を目指してはいけないのだろう。
「まだまだ枯れるわけにはいかない」。
あらためて気を引き締めようと思う。
2012年3月7日水曜日
同窓会 大人の男
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