2012年3月9日金曜日

胸焼け太郎

「胸焼け」と書くと大したことはないイメージだが、「逆流性食道炎」と書くと、何となくおぞましくハードな雰囲気になる。

逆流性食道炎だから胸焼けするわけだ。食い意地の張った私が生涯付き合い続ける症状だ。

胃酸過多を抑える薬を毎日のように服用しても、胸焼け太郎になることは多い。結構シンドイ。酔いにまかせて眠っても、イタ辛い?感じで目が覚める。

「胃酸が食道を逆流して炎症を起こす」。想像すると実におぞましい光景だ。胃の中に到達したどんなに固いモノだってドロドロに溶かすほどパワーのある胃酸。そんな恐ろしい破壊力を持った胃酸が、消化すべき相手ではない、いわば無防備な食道に上がってきてジュワジュワと焼き続ける。

そりゃあ食道ガンのリスクが高まるはずだ。

喰っちゃあ寝、喰っちゃあ寝を繰り返した若者時代は何も問題はなかった。胃と食道を分ける弁がしっかり機能していたわけだ。
ちゃんと防波堤の役割を果たしていた格好だ。

暴飲暴食を繰り返し、すぐに横になってぐうたら過ごす日々が、いつのまにか弁の機能を劣化させる。ドアのヒンジが緩んだかの如く、ダムが決壊するかの如く、ある日、胸焼け太郎としての余生が始まる。

私の夢はトンカツを1キロぐらいかっ込んで、すぐに眠ることだ。今、そんなことをしたら七転八倒は確実だ。実に切ない。

揚げ物は様子を見ながら上品に食し、おまけに食後早めに制酸剤を飲み、意識して身体を起し気味に過ごし、数時間しっかり経ってから眠る。

面倒くさいったらありゃしない。

揚げ物を注意していれば問題なしと思っていたのだが、そんな油断をあざ笑うかのように稀に伏兵が登場する。

先日は、牡蠣を食べまくったら、久々に胸焼けスペクタルな夜を過ごすハメになった。

店のせいではない。私と食材の相性だ。実際、胃腸をやられたわけではなく、ただ胸焼け太郎になった。

銀座の人気店「かなわ」に行った日のこと。広島料理の店だが、この時期は牡蠣のオンパレードだ。

以前にも書いたが、牡蠣様は亜鉛の宝庫。すなわち男性機能増強に最適な有難いシロモノだ。専門店に行った以上、ヤケのヤンパチみたいに牡蠣を食べてみた。

生牡蠣にはじまり、牡蠣の塩辛をつまみに焼酎をチューチュー飲み、亜鉛太郎になるべく奮闘した。




生牡蠣以外にも、牡蠣の燻製、牡蠣のバター焼き、そして牡蠣の炊込みご飯を食べた。

なんだかんだで20個ぐらいは食べただろう。牡蠣以外に食べたのは、煮穴子と豚角煮などだから揚げ物は無い。

店の名誉のために書くと、どれもウマかったのだが、なぜか食後1時間ぐらいしたら胸焼け太郎に変身。2件目のクラブ活動にも今ひとつ身が入らなかったほどだ。

牡蠣は胸焼けを招く食材なのかと帰宅してネットサーフィンしたが、そんな噂はない。アホみたいに50個ぐらい食べて胸焼けしている人の体験談があったが、単なる食べ過ぎだろう。

逆に、「胃酸過多には牡蠣が効果的」なんて情報を見つけた。ホンマかいな!である。

謎だ。牡蠣と胸焼け。このテーマを今後の研究テーマにしてみようと思った。

まあ逆流性食道炎なんてものは暴飲暴食だけでなく、ストレスが原因だという分析もある。

普通に生きていれば誰でもストレスはあるはずだが、きっと私の場合、純情で真っ正直で汚れのない心を持っているから、ストレスに過敏なのだろう。
実においたわしいことだ。

ストレスなんて語るのは情けなく男らしくないのは百も承知だが、たまには言ってみたい時だってある。

「オレだってストレス抱えてるんだぞ!」。

うーん、ちょっとスッキリした。

でもある意味、本当にストレスが原因であって欲しいと思う。たかだか牡蠣を20個食べたぐらいで、そんな症状になる理由がストレス以外の変な病気のサインだったら恐ろしい。

まあ、いいか、今夜も生牡蠣を食べて再度人体実験でもしてみよう。

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