もうすぐハワイに出かける。10年以上ぶりだ。ハワイ旅行などというとウキウキモードのように聞こえるが、今回はチト事情が異なる。
12歳の娘と74歳の私の母親との3人旅だ。一風変わった組み合わせだ。なんと表現したらいいのだろう。
大過なく過ごすことが課題である。
カリスマスタイリストとして活躍する小学校からの同級生がいる。ヤツはハワイの高級コンドミニアムと東京を行ったり来たりしているようで、Facebookでは、いつもオッシャレ~なハワイでの日々を紹介している。
かなりうらやましい。呪いたいほどだ。
今回の私の場合、オッシャレ~な時間とは無縁になりそうだ。きっとワイキキの目抜き通りやアラモアナショッピングセンターをうろついて終わりそうだ。
まあ、良しとしよう。
大学生の時、初めてハワイを訪れた。僻地のような南の島に潜水旅行をし始めていた頃だったから、ワイキキの「街っぽい感じ」がしっくりこなかった。
「ただの都会じゃねえか」みたいな印象がある一方で、都市としての利便性も捨てがたく、何度も行っているうちにハマった時期もあった。
大学4年の春休み、それぞれたまたまハワイに来ていた友人達との合流が重なり、巨大集団となって遊んだこともあった。ビーチバレーならぬビーチ三角ベースに血眼になったり、クルマを連ねて走り回ったり、大勢で中華料理屋や焼き肉屋でドンチャン騒ぎをした。
20代の頃、仕事でハワイに滞在中の年上の女性を追っかけて、わずか2泊でワイキキに滞在したこともあった。アホである。高級シーフードレストランで奢ってくれるというからデカいロブスターを注文して怒られたりした。若気の至りである。
当時、ミーハーなダイバーにとって神様みたいに扱われていたクリスチャン・ラッセンのリトグラフも買ったことがある。これまた若気の至りだ。結構な値段だった。別送品申告の手続きを忘れて、慌てて東京税関の知り合いに掛け合う珍事件もあった。
ひょんなことから、なぜか兄夫婦と私の3人で出かけたこともある。一人者の私に気を遣った兄嫁が、そこらへんを歩いていた観光日本人女子をナンパしていた妙な思い出もある。
そういえば、15年ぐらい前には、ワイキキ郊外の教会で結婚式もやった。これまた若気の至りである。
その際、身内だけのパーティー会場に現地のウクレレミュージシャンと歌い手を呼んで余興をさせたのだが、この時も珍事があった。
そのハワイアン連中が気を利かせて日本語の歌を披露すると言い出した。どうせ「上を向いて歩こう」でも始めるのかと思ったら、五輪真弓の「恋人よ」を熱唱された。
ウェディングパーティーで大失恋の歌である。凄いセンスだ。
♪枯れ葉散る夕暮れは
来る日の寒さをものがたり
雨に壊れたベンチには
愛をささやく歌もない ♪
こんな感じで切々と歌い始める。おったまげる。一応めでたい席である。笑うしかない。
♪恋人よ~さようなら~♪
♪この別れ話が~冗談だよと笑ってほしい~♪
大いにウケた。腹の底から笑った。でも、私の母親などは真剣にムッとしていた記憶がある。
あの時、既に将来を暗示されていたとは。
ハワイアン、恐るべしである。
社員旅行でハワイに行ったこともあった。あの時も切ない出来事があった。「サンセットクルーズ」をめぐる珍事である。
サンセットクルーズといえば、オノボリさん的である。少なくても私はそう思っていた。バリバリのハワイリピーターを気取っていた私は「かったるいなあ、そんなもん行きたかねえよ」と毒づいていた。
でも、内心は参加してみたかった。コッソリと楽しみにしていた。ところが、旅行会社の人間が私に誤った集合時間を伝えたため、参加できなかった。
ハラワタが煮えくりかえったのだが、カッコつけてた手前、そんな様子はオクビにも出せない。ウジウジと人目を忍んで落胆したことを覚えている。
ここ数年は、セキュリティーの強化などでアメリカ自体に行くのが億劫になり、ハワイに行く機会もなかった。
同行する娘は、昨年も一昨年も母親とハワイに出かけているので、私よりも詳しいつもりでいるらしい。
やれ、どこのパンケーキがウマいだの、どこのスイーツが最高だのと四の五のホザいている。
そんな甘ったるい時間だけでは教育上よろしくない。
父親の威厳を示す意味でも、ノースショアまで遠征してスパルタシュノーケリング教室を開催してやろうと企んでいる。
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