ひとり深夜にのたうちまわった「尿路結石悶絶事件」が無事終了した。
ポロッと石が出た。実にめでたい。ほっと一安心である。
♫月が~出た、出~た、月が~出た~、ア~ヨイヨイ♫
「月」の部分を「石」に変えて、ご機嫌で叫ぶ日々が続いている。そのぐらい嬉しい。
ここ最近の自分の人生の澱(おり)みたいなものまで石になって出て行った気がする。
スッキリした。生まれ変わった気分だ。
気絶寸前の事件勃発からしばらくは、時々襲ってくるズキズキする痛みのせいでションボリした日々を過ごした。悪友達と行くはずだった狂乱のバンコク旅行も、コトがコトだけにキャンセルするハメになった。残念無念である。
悶々と過ごしていたある日のこと。ウジウジイジイジしていることに疲れ、痛み止めを手にパーッと飲みに出かけた。
とにかく大量の水分を摂取して尿から石を出すしかないから、どんよりイジケていても仕方ない。
石を動かすためには歩き回るのも有効だ。いっぱい歩いていっぱい飲んだ。
夜更けに帰宅してトイレへ。オヨ?という感じで何かが出た感覚があった。よく見れば石のようなものを発見したので回収してみた。
大きさは3ミリちょっと。大したサイズではないが、尖っているし、固いし、どうやら「犯人」である。
さっそく医者に行って確認してもらった。「コイツが犯人に間違いない」とのこと。成分検査に出してもらう。石の成分が分かると原因や今後の予防策が立てやすいとのこと。
石が出た日は、まだ脇腹が痛かったので、石はその辺りに潜伏中だと思っていた。ところが、ドクターによると石が尿道付近まで移動してきても、あくまで痛みは脇腹で感じるそうだ。
まだ脇腹近辺に潜んでいるはずとタカをくくって、ムフフな行為とかに励まないで良かったと思う。ひょんな時にひょんな場所で激痛に見舞われたら、SMプレイなどと洒落ているわけにはいかない。石を発射される相手だって困るはずだ。危ない危ない。
というわけで、「犯人の自首」によって、人生初の七転八倒事件はとりあえず幕を閉じることになった。
でも再発率50%だという。実に恐ろしい。
わがオヤジバンドの仲間は4回も経験したそうだ。そのうち1度は本当に気絶して入院したらしい。
じぇじぇじぇ、である。
自分なりに人生初の石体験について理由を考えてみた。この1年ぐらいの生活習慣の変化を思い返してみる。
サプリに目覚めて7~8種類を毎日摂取するようになった。どうもこれが怪しいと思い、それぞれのサプリごとに結石との関係性を調査してみた。
結果、だいたいが問題なし。いや、結石予防に効果があるサプリも複数あった。どういうことだろう。
まるでサプリが無意味だったということか?だとしたらドンヨリする。
毎月配送定期コースに申し込んでいるのに、そんな結論は哀しすぎるので、サプリのせいで石が小粒で済んだと都合良く解釈することにした。おまけに人づてに聞いた石対策にも有効だというサプリまで新たに常備し始めてしまった。
では、やっぱり原因は食生活か?まあ、誉められたものではないが、以前に比べて変化したわけではない。それなりに動物性タンパク質の摂取が増えたとは思うが、劇的に変化したわけでもない。
ストレスか?そんなもの誰にだってあるし、かつては今より100倍ぐらいストレスがかかっていた時期もある。
で、自分なりの結論が出た。
「青汁犯人説」である。
といっても青汁の成分が悪いわけではない。青汁を飲まねばならないせいで、青汁以外の水分が全体的に不足していたという推測だ。
青汁はマズい。マズいから喉が渇くまでなかなか飲まない。飲んだとしてもマズいからグビグビ一気に大量には飲めない。
喉がかなり渇いていても、ほんのコップ一杯分ぐらいで満足してしまう。
美味しい水や美味しい麦茶だったら1回で300~400㎖ぐらい飲むところを青汁だと200㎖でやめてしまう。そんな感じ。それが1日何度も繰り返される。
この積み重ねが、総体的な水分不足を招いていたような気がする。石の成分分析が判明するまで真相は不明だが、きっとそんな原因だろう。
青汁が犯人ではないが、犯人は青汁である。
変な言い方だが、そういうことだと思う。
ちなみに、私が素敵な女性を口説き倒すのは私のせいではない。その女性が素敵だからであって、原因はあくまでその女性である。
それと似ている。わかってもらえるだろうか?無理か・・・。なんか変な理屈か?
そうは言っても、「青汁ちゃん」とは5年以上の付き合いだ。いまさらサラバというわけにもいかない。
青汁ちゃんに対して操を守ってきたが、これからは麦茶ちゃんとか水さんとかとも仲良く組んずほぐれつの生活を強いられる。
それ以外には、救急車で運ばれた病院で「尿酸値の高さ」を指摘された。尿酸系の石である可能性も高い。
ウニばかり食べてきたここ数ヶ月のフシダラな暮らしも要因の一つかもしれない。
まあ、犯人捜しはキリがない。きっと、思い当たることすべてが複合的に絡み合って事件に発展したんだと思う。
おかげで、結石に関する知識は物凄く豊富になったし、無意識に食生活に今まで以上に注意する気分になってきた。
結果的に、健康の大切を痛感したことは収穫だった。
東京オリンピックに参加するためにも、あらためて元気でいようと決心した。
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