2014年4月23日水曜日

客室露天風呂の楽しみ方


旅行好きを自認してウン十年過ごしてきた。国内ではホテルより旅館を選びたくなる。温泉に浸かって鼻歌を歌うと旅に来たことを実感する。

先日、岡山に行った際には倉敷の日航ホテルに泊まったのだが、近隣の旅館を選ばなかったことを後悔した。

地元では上等なホテルという触れ込みだったが、ルームサービスすらやっていない二流ぶりで、値段だけが上等なビジネスホテルだった。


さて、温泉旅館の最近の風潮が部屋に専用の露天風呂を設けるパターンだ。ここ10年ぐらいで一気にポピュラーになってきた印象がある。

普通の客室との価格差も昔よりは縮まってきた。それでもあまりに安価だと、壁に囲まれた眺めも無い狭い空間に、急ごしらえで小さな浴槽を置いたようなオヨヨなことになる。慎重に選ばないと満足には程遠い結果になる。

部屋の露天風呂自体は良い感じなのに、ただの沸かし湯というパターンも多い。ちゃんとした温泉を部屋まで引っ張っているかどうかも大きなポイントだ。

ということで、「露天風呂付き客室」と一口に言ってもピンキリである。北海道から九州までアチコチで実際に宿泊してきたが、「眺め、浴槽の広さ、泉質、解放感」すべてを満たすのは数えるほどしか無かった。



箱根仙石原の「仙郷楼」、登別「滝乃家」、愛媛・道後の「道後館」、熱海「石亭」あたりの客室露天風呂は、ちゃんと源泉がガンガン使われていて快適だった。

箱根と登別は濁り湯だったから尚更風情タップリで、登別のほうは、目の前に拡がる山の斜面に鹿が歩いていたりして何とも情緒があった。


函館・湯の川温泉の「湯の川プリンスホテル渚亭」は、客室露天風呂が日本一多いという触れ込みの宿。ベランダスペースに急ごしらえしたような風呂もあるが、何と言っても眺めが最高だ。

風呂に浸かりながら津軽海峡が眼下に広がる。夏場はイカ釣船の漁り火が水平線にきらめく。なかなか得がたい体験が出来る。

その他、記憶をたどってみたら結構アチコチで露天風呂付きの部屋に泊まってきた。箱根・芦ノ湖の「佳松」、北海道・定山渓の「翠山亭」、群馬・老神「仙郷」、香川・琴平「琴参閣」、湯河原の「白雲荘」、同じく「海石榴」、伊豆長岡「正平荘」、伊東「淘心庵米屋」、河口湖「湖山亭うぶや」、長野・上諏訪「鷺乃湯」、広島・鞆の浦「汀邸・遠音近音」、島根・玉造「長生閣」、群馬・伊香保の「木暮」などなど。

善し悪しはそれぞれだったが、細かいことはさておき、好きな時間に好きなことをしながら露天風呂にドップリ浸かれるのは至福の時間である。

妻子持ちだった頃は、妻子と行った。子どもが小さい場合、周りを気にせず温泉気分を味わえるのがメリットである。

もちろん、恋人同伴でムフフな旅の時もあった。いやでも親密度は増す。濁り湯ならお連れ様の恥じらい?にも対処しやすい。

一人旅の時にもたまに露天風呂付きの部屋に泊まる。贅沢だが、いろいろ気持ちが煮詰まった時などは思い切って散財するのも悪くない。あまりチープな空間だとリフレッシュできないから、たまの贅沢ならオススメである。

さてさて、専用の露天風呂で何をすべきか。


愛煙家にとっては、露天風呂でプカプカ煙草を吸う時間は最高の贅沢である。他の客がいる大浴場では無理な話である。

私も煙草に限らず、お気に入りの葉巻を持ち込んでノンビリとホゲホゲすることが多い。実に幸せだ。

飲み物を持ち込むのも自由だ。アルコールに限らず、オロナミンCだって普段より美味しく感じる。

冷蔵庫で冷やしておいたピッコロサイズのシャンパンなんかを星空の下で飲むのもオツなものである。非日常を味わえてワクワクできる。

週刊誌や本、マンガを持ち込めるのも客室露天風呂の醍醐味だろう。私の場合、たいてい、気楽なエッセイや週刊誌とか、コンビニで売っているヤクザもののマンガとか「黄昏流星群」みたいな中年向きのマンガを嬉々として読んでいる。

まあ、四の五の語ったところで、部屋に露天風呂がついているト聞くと、結局はラブラブな相手とムフフな展開なんかをニタニタ想像する人カが多いのが社会の常識である。

でも、実際には、そんなことをしたらノボせるだけだし、血圧が上昇して生命の危険?にさらされる恐れもある。中高年だったらやめておいた方が賢明である。軽く酒でも飲みながら葉巻を吹かし、エロ週刊誌を読んでいたほうが安全だと思う。

なんだか、こんなことを書いているだけで、また温泉に行きたくなってきた。また思いつきで出かけようと思ったが、世の中連休シーズンで手配が難しい時期である。

おとなしくしていよう。

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