2015年9月11日金曜日

姦通罪


「そのうち姦通罪も復活しちゃうんじゃないか」。

なんとなく世の中が窮屈になってきたから、そんなセリフを最近何度か口にしている。世の中から大らかさが失われて息苦しくなれば、あながち姦通罪も過去の遺物ではなくなるかもしれない。

「姦通罪」。なんだか文字ヅラが凄い。大迫力である。「姦」という文字を辞書で調べると「よこしま」「女性をおかす」「正道にそむく」といった言葉が並んでいる。

「姦通」は「社会的、道徳的に容認されない不貞行為、性交渉のこと」だとか。

なんだか、そんな言われ方をすると重罪みたいである。

姦通罪を平たく言えば「結婚している人は配偶者以外とセックスすると法律違反で罰します」という話である。

大きなお世話である。そんなことまで国家が介入するのはバカげた話である。

でも、ほんの70年ぐらい前まで我が国にもずーーと姦通罪が適用されていた。現行憲法が誕生する昭和22年まで数百年間は姦通罪が存在していたわけだから、今の「自由」なんて歴史上はヨチヨチ歩きみたいなものである。

姦通罪はイスラム諸国をはじめ近隣では台湾に存在する。韓国は今年になってようやく廃止したが、これまで何度も違憲訴訟が提起されても姦通罪を合憲とする司法判断がくり返し下されてきた。

つくづく姦通罪のある国に生まれないで良かったと思う。私なんかいちいち逮捕されてしまう。ウソです。

欧米諸国に姦通罪があったら、ホワイトハウスでエッチしまくっていたケネディやクリントン、とにかくどこでもエッチしまくっていたイタリアのベルルスコーニあたりの国家元首も現役のまま逮捕されちゃう。

さて、私にとって姦通罪といえば「白仁天」である。昭和のプロ野球で活躍した韓国籍のスター選手である。

日本で引退した後、韓国プロ野球に転じ大活躍していたのだが、ある日飛び込んできたニュースが「白仁天、逮捕」というショッキングなものだった。罪状は姦通罪である。

バリバリ活躍している野球選手が投獄された。おまけに罪状はセックスである。まだ青かった私の衝撃は計り知れなかった。

私にとっては覚えたて?のセックスってそんなに危険を伴うものなのか。私の頭の中はそれ一色になった。大人になっても結婚なんてするもんかと心に誓った。

結婚したら配偶者以外と愛を交わしてはいけない。これって正しいことだが、実際にはどうなんだろう。

人生のまだ序盤戦である20代ぐらいで結婚。その後、半世紀はバリバリ元気で活動するのに、二度と配偶者以外の人と恋愛できない-。これって現実的だろうか。厳しい修行みたいな話にも思える。

そう考えること自体がダメなのだろうか。ダメと言われればダメかもしれないが、聖人君子じゃあるまいし、個人的には無理な話だと感じる。

少なくとも私は、結婚したら神に誓って他の異性には死ぬまで興味を持ちませんと断言できちゃうような人とはお友達にはなりたくない。

人間なんて煩悩あってこそ楽しいわけだし、恋愛をしたい感覚は年齢に関係ない。

姦通罪の話が不倫肯定話に飛躍してしまった。

まあ、闇雲に不倫を肯定したいわけではない。家庭は平和が一番である。なるべくヨソ見はしないほうが賢明だ。

ただ、人生いくつになっても恋心は大事だし、それを悪だとは決めつけられないという話である。

人の心なんて突然どこに転がり出すか分からないし、それを止めるべきかどうかについても正解などない。

悩んだところで結論も正解も出ない。結局はそういうことである。

どういうことだろう。。。

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