録画したテレビをノンビリ眺めて、早々に寝室に行って本を読む。酒を飲まない日のささやかな楽しみだ。
脈略もなく短編小説を読んだり、肩の凝らない新書をパラパラめくっていると酒が無くても睡魔がやってくる。
この画像は最近読んだ新書。犯罪、容姿、結婚、能力等々、人間のあらゆる行動に厳然と存在する格差の実態を細かなデータで分析していた。人々が表立って口に出さない“掟”のような現実が明文化されている点が興味深かった。
小説の他には、こういう洞察モノや実録ルポを手に取ることが多い。あまり得意ではないのが自己啓発モノである。
いっぱしの社会人ならビジネス分野の自己啓発本を読まねばといったお節介な風潮が苦手で、若い頃からロクに読んだことがない。
なんだかウサン臭い。個人的な意見です。スイマセン。あれなら守護霊モノや運勢、占い系の書物をブツブツ文句言いながら読んでいるほうが楽しい。
それよりも、子ども向けに出版されている歴史上の偉人の話を読んだほうがマシだと思っている。文字も大きいし。
偏屈オヤジみたいな書きぶりになってしまったが、名言や格言みたいなジャンルは嫌いではない。やはり含蓄のある言葉には迫力がある。短い言葉が持つ小気味よさに惹かれる。
わが社が発行している媒体に『社長のミカタ』という月刊紙がある。文字通り経営者向けの情報が網羅されている。
通常購読の他に、経営者が加入する組織での研修用や経営者向けの配布ツールとしても活用されている。
http://www.mikata-digital.com/
創刊以来、人気を集めているのが「賢者の言魂」というコーナーだ。毎号一人ずつ著名な経営者の残したビジネス格言と呼べるような一言を、その経営者の経歴とともに紹介している。
今日は、そのいくつかを紹介してみる。経営者の立場にあるかどうかを問わず、どんなジャンルの仕事にも通じる金言だと感じる。
●全員反対したものだけが一考に値する
諸井貫一(秩父セメント)
●「らしさ」を維持する頑固さが必要だ
江頭匡一(ロイヤル)
●他人の不幸による漁夫の利を求めるな
小平浪平(日立製作所)
●シケの時こそイカリを巻いて出て行くことだ
中部幾次郎(大洋漁業)
●私の悪口はすぐに報告しなさい。しかし、言った人の名は言わないでください
永野重雄(新日本製鐵)
●最初から和尚はない。掃き掃除から洗濯まで、小僧の苦労を重ねてこそ大和尚になれる
安藤楢六(小田急電鉄)
●サービスは「100-1=0」。ブランドは10秒で崩れる
藤居寛(帝国ホテル)
●問題は解決されるためにある
中山素平(日本興業銀行)
●仕事をやる以上、仕事に惚れなくてはならない。仕事が恋人であるなら成功せぬはずはない
石橋信夫(大和ハウス工業)
●運に恵まれるには努力が必要である
江戸英雄(三井不動産)
●アクの強い生意気な男こそ役に立つ。大いに使いこなせ
山下亀三郎(山下汽船)
●チャンスは貯金できない
樋口廣太郎(アサヒビール)
●デメリットのあるところにビジネスのチャンスがある
小倉昌男(ヤマト運輸)
●見せかけの模倣はダメだ。やるなら徹底的に根本から始める
福原有信(資生堂)
●できない理由を考える前に、できる方法を考えてくれ
市村清(リコー・三愛グループ)
●何でも時代のせいにしてりゃあ、そりゃあ楽だわな。
田辺茂一(紀伊國屋書店)
●下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。
小林一三(阪急東宝グループ)
若い人、中年の人、お年寄り、また男女を問わず仕事の心構えとしては有用な言葉だと思う。
私自身、こうした言葉に触れるたびに大いにうなずき指針にせねばと思うのだが、すぐに忘れちゃうから困ったものである。
時々、読み返そうと思う。
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