2020年9月14日月曜日

鶏チャーシュー問題

以前にも書いたが、私がラーメンに求めるものは豊富なチャーシューである。一切れ、二切れのチャーシューが乗っかっているのは淋しい。

 



 

こういうヤケクソみたいなチャーシューメンは別だが、あくまで口の中で豚肉と麺が絡み合って欲しい。

 

そんな豚野郎のような私にとって近頃気になるのが「鶏チャーシュー」なるシロモノだ。


偏屈オヤジみたいで恐縮だが、「鶏チャーシュー」という意味不明、いや、謎の存在がどうにも腑に落ちない。

 

だいたい、名前自体がヘンテコだ。チャーシューは豚肉である。正式に調べたわけではないが、まず間違いない。

 

中国式と日本式は違うという話は知られているが、根本の素材が豚肉であることは大前提である。

 

鶏チャーシューを別に憎んでいるわけではない。私は鶏肉だって大好きだ。でも「いったいその名前は何なんだ!?」と問いたい。

 

ラーメンに載っている肉はチャーシューだから鶏肉だってそう呼んでやろうという気持ちは分かるが、豚にも鶏にも失礼な話ではある。

 

先日、東京駅そばの「福味」という人気のラーメン屋さんに入った。醤油ラーメンがメインのお店だ。

 

お品書きを見たらチャーシューメンが無い。こりゃダメだと帰ろうとしたのだが、よく見たら「チャーシュー皿」というメニューがあった。ホッと一安心。当然、トッピングするために追加注文した。

 



 

ラーメンは非常に美味しかった。スープもとっても美味しかった。チャーシューも悪くない。でも、普通のチャーシューとともにコッソリ?鶏チャーシューが混ざっていた。

 

いつもラーメンをつい斜めから語ってしまう私だが、この店はかなり満足できた。とても美味しかったからブツクサ言う話ではないのだろう。

 

いや、でも違う。チャーシュー問題を素通りするわけにはいかない。

 

チャーシュー皿と聞けば普通はチャーシューがやってくると思う。ところがこの店では鶏肉とチャーシューが半分ずつだった。

 

チャーシューが大好きな私がチャーシュー気分バリバリで対峙したラーメンだったから、鶏肉は想定外だ。少しションボリしたほどである。

 

それだけ「鶏チャーシュー」というヘンテコな造語が世の中に浸透しているのだろうか。

 

鶏は鶏であってチャーシューではない。私のような偏屈オヤジのために鶏肉バージョンの良い名称はないものだろうか。

 

棒々鶏でわかるように「ジー」とか「チー」が鶏のことらしい。だったら鶏チャーシューではなく「ジーシュー」「チャージー」などテキトーな造語が編み出されればいいと思う。

 

日本語読みで「ケイ」だから「ケイシュー」だっていいし、何だったら「トリシュー」とか「チャードリ」だっていい。

 

うーん、全部イマイチだ。全然しっくりこない。きっと先人達も悩みに悩んで、結局「鶏チャーシュー」という極めて日本的な曖昧かつ調子の良い言葉に落ち着いたのだろう。

 

そしていま、日本中でこのヘンテコ造語がこっそり、かつ確実に着実に大胆に浸透している。いまさら私一人ごときが四の五の言ったところで後戻りできないほど根を下ろしている。


うーん、なんだか釈然としない。モヤモヤする。

 

普通のチャーシューをこよなく愛する私としては完全に負けた気がする。無力感の極みである。切ない。まるでハシゴを外された岸田政調会長ぐらいの切なさである。

2 件のコメント:

館長 さんのコメント...

牛カツのことを牛トンカツと呼んだり、豚丼のことを豚ギュウドンと呼んだりはしないので、鶏チャーシューというのはおかしな呼び方ですが、既に日本では「ラーメンに乗っかってる肉=チャーシュー」なんでしょうね。

細かいことをいえば豚で出来た日本のチャーシューも焼豚ではなく煮豚が殆どなので、既にオリジナルの意味からは違ったものになってますね。

富豪記者 さんのコメント...

館長さま

御意!