好きだった店が閉店してしまうのは淋しい。先日、銀座の隠れ家「そうな」が閉店しちゃうと聞いて慌てて訪ねてきた。
いざ閉店すると知ってノコノコ顔を出すのはちょっとカッチョ悪い。残念がるならもっと頻繁に顔を出しておけって感じである。
コロナ禍でも時々は覗いていたが、やはりこの半年ぐらいは出かける頻度は激減していた。後悔先に立たずを実感する。
2年前にこのブログで「ヤバい味」だと書いたが、カウンターだけの隠れ家的空間で、おまけにタバコだって吸えちゃう私にとっては天国みたいな店だった。
http://fugoh-kisya.blogspot.com/2019/09/blog-post_25.html
閉店はするものの、同じく銀座8丁目に漢字表記の系列店「惣菜」がある。ヤバい味にムホムホしたくなったらそちらに行けばいいわけだが、「そうな」の怪しげな?風情は独特の良さがあったので実に残念である。
からすみビーフン、贅沢トリュフたまご、ウニとトリュフのグラタン、タルタルソースとカニコロッケである。どれも官能的だった。
官能的な味とはエロい味である。エロいという言葉は料理を褒める言葉としては最上だと思う。人間の欲求を興奮と感動とともに満たすわけだからエロそのものだろう。
「そうな」における私のお気に入りがトリュフを使う料理に使うクリーミーなエロ系ソースだ。
いつもうっとりしていたのだが、先月ふらっと訪ねた時にも、これをベースに即興でエロパスタを作ってもらった。ウニクリームパスタだ。
カウンターだけの小さな店だったから混雑状況によっては様々なアレンジも気軽にお願いできた。今後は「惣菜」のほうにちょくちょく通ってワガママが言えるようになりたいものだ。
さて、閉店といえば、いよいよ最終段階なのがホテルグランドパレスだ。6月末に閉館しちゃうから、私が小学生時代から愛しているシャトーソース付きのピラフとの別れも近づいている。
先日、娘や息子を引き連れて夕飯を食べに行ったのだが、まもなく無くなっちゃうのかと思うと、ついついセンチな気分になる。
子供達が小さかった頃は、1階カフェレストラン「カトレア」のランチビュッフェやディナービュッフェにちょくちょく通った。
ホテルのビュッフェといえば、品数の多さを競うばかりで肝心の味がイマイチのケースが少なくない。その点、グラパレのビュッフェは品数こそ少なくパッと見の派手さはないものの、一つ一つが丁寧に作られており、その質実剛健な感じが好きだった。
この日、娘がカツカレーを注文したので、少し奪って久しぶりに味わってみた。タマネギの甘みが物凄くインパクトがある。昭和ニッポンの味、丁寧に仕上げられた洋食カレーの味だ。
ピラフ攻めしか頭に無かった私だが、このカレーもわが人生に寄り添っていた。私自身の子供時代にも時々食べていたことを思い出す。
0 件のコメント:
コメントを投稿