2022年2月9日水曜日

橋めぐり

 

健康増進のためになるべく歩くようにしている。今更ランニングなんかを始めたら死んじゃいそうだからウォーキングである。ただ歩くだけでもこの歳になると充分に意味のある行動だろう。

 

もともと旅先などの見知らぬ土地では平気で2万歩ぐらい歩けるのだが、見知った場所ではなかなか歩数が稼げない。何かしら目的というか、自分の中にテーマを作っておかないとひたすら歩くのは難しい。

 

運良く今のわが家の近くには隅田川沿いの遊歩道が整備されている。隅田川テラスという名称で結構な距離がちょうど良い散歩コースになっている。

 

信号は無い、車も通らない、人混みも無い、水辺の気持ちよさを味わえる。隅田川にさほど遠くない場所に住んでいる都民にとってのオアシスといっても過言ではない。

 


 

季節を問わずしょっちゅう隅田川沿いを歩いているのだが、最近なんとなく興味を持ったのが橋である。橋めぐりを目的にするのも悪くない。普段なんとなく目にしていた橋にもいろんな姿形がある。

 

クルマで動いていたら分からない橋の個性を目にしながら歩くのは結構面白い。途中、スマホでその橋の由来やエピソードを調べるのも楽しい。

 

上の画像は佃大橋の夜景だ。わが家から徒歩5分ぐらいで行けるので、もっとも頻繁に目にしている橋だ。かの池波正太郎が昔のエッセイでこの橋が出来たことで渡し船の風情が失われたことを嘆いていた。

 


 

佃大橋から築地方面に向かった次の橋が勝どき橋である。日露戦争での旅順陥落を祝う「勝ちどき」にちなんで命名された。昔は上に跳ね上がって船を通したそうだ。そんな昔の逸話を重いながら見学するとちょっと楽しい。

 

いつも同じエリアばかり歩くのも退屈するので、時にはわざわざタクシーに乗って遠征する。人形町を超え浜町あたりまで行ってから浅草方面に隅田川テラスを歩くコースだ。

 

こちら側は江戸情緒の演出が多く、その昔、それぞれの橋が名所だった当時の浮世絵が壁面に描かれていたり東京っぽい雰囲気を味わえる。

 


 

こちら側も永代橋、両国橋、清州橋といった昔からよく聞く有名な橋が続いている。清洲橋の美しさはなかなかのものだと思う。勝どき橋とともに国の重要文化財になっていると聞いたことがある。

 

永代橋という名前も忠臣蔵ファンには妙にそそられる。周囲に赤穂浪士休息の地みたいな記念碑があったりして歴史的な情緒が感じられる。

 


 

職場と家が近くなってからクルマを使う機会が減ったが、クルマだったら瞬時に通過してしまう橋にもそれぞれの味わいや歴史がある。散歩がてら橋めぐりと洒落込むことはアナログ的な楽しみとして新鮮だ。

 

ひょっとしたら老後の趣味のひとつとして有望かも知れない。都内はもとより日本中にさまざまな橋がある。それぞれの情緒や歴史を感じるのは意外に楽しいかも知れない。

 

昔から老後の趣味というテーマを漠然と思い描くことはあったが、以前よりも真剣に考え始めている自分がいる。昔はオチャラケ半分にあれこれ想像していたが、さすがに還暦も遠くない歳になってきたから本気で考えないと手遅れ?になっちゃうかもしれない。

 

これまでも老後の趣味として白黒専門の写真を楽しもうか、日本中の城めぐりをしてみようか等々、テキトーにいろいろ考えてきた。写真も城も現実的だと思うが、一番安上がりで済みそうなのは橋めぐりかもしれない。

 

老後の趣味

http://fugoh-kisya.blogspot.com/2010/01/blog-post_22.html

 

城めぐり

http://fugoh-kisya.blogspot.com/2009/05/blog-post_12.html

 

姫路城萌え

http://fugoh-kisya.blogspot.com/2016/04/blog-post_27.html

 

いずれにせよ、こんなテーマを真面目に考えるようになったことは複雑な気分ではある。歳をとった証だ。まあ実際に歳をとってきたのだから仕方がない。

 

このブログだって今年で15年目である。15年といえば生まれた子供が元服する年月である。当初から中年男としてアーダコーダ書いてきたわけだから、それから15年も経てば老境も確実に近づいているわけだ。

 

書く内容がドンドン枯れてくるのは由々しき問題である。もっと色っぽい話なんかを書くように心を入れ換ることにしよう。

 

 

 

 

 

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