都心中心部に住む楽しみの一つが近隣の飲食店の多さだろう。日本橋周辺は渋い老舗はたくさんあるから今後の探索が楽しみだ。まだ馴染みのないエリアを散歩しながらウマそうな店をめぐるのは新鮮な気分になる。
用も無いのに回り道をしたりムダに歩く機会も増えた。行ってみたい店はどんどん増える。運動不足解消にもなるからしばらくは散歩が趣味になりそうだ。
先日、とにかくバテバテだったのでスタミナをつけようと珍しく韓国料理屋さんに入ってみた。焼肉屋ではなく鍋などをアレコレ揃えているディープな店だった。その名も「韓国亭」。
客層も韓国系の人が多い感じで本格的な料理を楽しめそうな気配。デートや接待に使う雰囲気とは無縁だが、サンコンさんのサインが飾ってあるようなフランクさでタバコも吸える。
表に「デジカルビ」の看板が出ていたのでそれを目的で恐る恐る入ってみた。要は豚焼きである。牛ばかりの印象がある焼肉系と違い、家庭料理系の店だと用意してあることが多い。
無料で出てくるキムチ、ナムルなどをツマミに待つ。この店のデジカルビは調理場で作って来るスタイルだとか。この日ばかりは疲れていたので自分で作らされるよりも有難かった。
出てきたのがこれ。実に潔い。豚肉とニンニクだけ。野菜など余計なモノは一切無し。無心に豚肉を頬ばった。味が強めだったが素直にウマい。放置していたニンニクも店のオバチャンに「せっかく入れたんだから食え」としつこく勧められたので頑張って食べる。疲労回復目的だから良しとする。
クッパ系でシメようかとも思ったが、オススメらしいジャージャー麺を注文する。韓国に行った時にも感じたが、あちらの人はやたらとジャージャー麺が好きみたいだ。中華料理的ではなくあくまで韓国的なジャージャー麺である。
これまた濃い味で挽肉ではなくこまぎれの牛肉がゴロゴロ入っていて食べ応えがあった。熱々の麺もしっかりコシがあったし何となく元気が出そうな味だった。
こんな歳になって味の強いものばかり食べるのも無理があるので、別な日はこれまた初訪問の蕎麦の店に出かけた。日本橋本町寄りの隠れ家的な立地の「京都鴨そば・浹(あまね)」という店。
お江戸日本橋というエリアで京都という看板を掲げた店に入るのもビミョーだが、鴨と蕎麦とくれば突撃したくなる。夜は一品料理も多い蕎麦割烹として使える店。
ここはちょっとした会食にも使えそうなモダンで綺麗なお店だった。お酒の品揃えも悪くない。全体に上品で丁寧な印象だった。
鴨のつくね。焼いた鴨、からすみなどで一献。オツだ。焼酎の蕎麦湯割りもドロっとした蕎麦湯を使っている点が嬉しい。それだけで蕎麦飲みするにはバッチリな店だと言える。
肝心の蕎麦は正直言って「普通」だった。高級蕎麦専門店というより街場のお蕎麦屋さん系のそれに近い。とはいえ、鴨せいろのつけ汁がとても濃厚で独特の旨味に溢れていたのが良かった。
熱い鴨蕎麦も頼んだが、こちらのつゆはかなりアッサリだったので、せいろのつけ汁をこっそり追加投入したら断然美味しくなった。
お次は人形町まで散歩した際に入ったカフェのかき氷である。以前にも来たことがあるが、暑かった週末の散歩ついでに改めて寄ってみた。
最近はかき氷が若者の間でブームになっていて週末の人気店は行列になることも珍しくないようだ。その点、この「Pomp」というカフェは穴場だろう。席が空くのを待つこともなく歩きまくってヒーフー言っていた私に涼味を提供してくれた。
黒ごまきなこ、マンゴーミルクである。そりゃあ火照った身体で食べるわけだから単純明快に美味しい。フルーツカフェという触れ込みだからマンゴーもちゃんとウマかった。
それにしても「かき氷バブル」みたいな風潮はいつまで続くのだろう。昭和の頃は高価なイメージなどまったく無かったかき氷が今や高級品である。
フルーツをドッサリ使っていればそこそこの値段になるのも分かるが、そうでない路線のかき氷も平気で2千円ぐらいの値付けを見かける。
つくづく自分がオジサマという生きもので良かった。若造だったら氷に高い金を払う気にはならなかったと思う。牛丼を2~3杯食べたほうが幸福だったはずだ。
思えばスイーツ全体が数十年前より全体的に高値路線になってきたように感じる。ラーメンみたいである。これもまた国が成熟した証なのかもしれない。
まあ、美味しければそれだけ得られる幸福感も大きくなる。闇雲に安さばかり求めるよりはマシだと納得しようと思う。
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