2008年9月8日月曜日

別荘問題

セカンドハウスの発想で、自宅以外にも拠点を持とうという人が増えているそうだ。週末は郊外の自宅、平日は都市部のマンションで暮らして、通勤での労力ロスを避けようとする狙いだ。

いわゆる別荘という感覚とはちょっと違う点がポイント。高原やリゾート地での保養的意味合いの別荘ではなく、単に住まいの使い分けという発想が元になっている。

もともと面倒なことが嫌いな私は、住みたくないエリアであっても、職場に近い場所に住むことで問題を解消してきた。少なくとも災害に遭ったときに帰宅難民になるリスクは押さえられる。

別荘といえば、いつの世もステイタスの高さの象徴のように位置付けられている。最近では、なけなしの退職金をはたいて、別荘暮らしを楽しむサラリーマンOBが増えてきたため、昔よりは気軽な存在になっている。

私にとって、別荘ライフには微妙な感覚がある。旅好きな人間が旅好きである理由の一つが、知らない場所に行ってみたいということ。私も同様で、別荘を持ったら、ついそこにばかり行ってしまいそうなので少し面白くない。

こう書くと、別荘ライフを知らない者のひがみみたいに思われそうだが、私だって人並み以上に別荘体験はある。

祖父が伊豆半島の伊東に別荘を構えていたため、幼い頃はしょっちゅう長逗留した。広大な敷地に平屋建て。いわば昔のイメージ通りの別荘だった。

広大な敷地だったので、転がり回るのに適した自然の斜面があり、小さな川も流れていた。そう書くとゴージャスなイメージだが、実際は結構大変だった。別荘に入っていく山道が舗装されておらず、クルマで行っても時には上がっていけず、山の麓に駐車して、地元の作業車に頼んで運んでもらった記憶がある。

おまけに盗難被害も目の当たりにした。何ヶ月かぶりに行ってみると、電化製品がすっかり盗まれていた。昭和40年代にホームセキュリティーという考え方や専門業者などいない。家電製品も今より貴重だった時代だけに、人気のない山の別荘は格好の標的になったのだろう。

それ以外にも、到着した日は大掃除にテンヤワンヤだったのも嬉しくない思い出。都会のモヤシっ子にとって、巨大なクモの巣除去をさせられることは、その場所が苦手になるには充分な体験だ。

伊東の別荘で覚えたのは、別荘は面倒ということ。その後、別荘マンションはいくつかあったが、一戸建て物件は伊東が最後だった。

マンションといえども、やはりたまにしか行かない場所は、掃除などの管理が大変。1~2泊程度だと、掃除しに行ったような感覚になることもある。“上げ膳据え膳やりっ放し”みたいな気ままな時間にはならない。

私も、学生時代は実家が持つ別荘マンションをマメに利用した。時間があり余っている頃だったせいもあるが、宿泊代がかからず、おまけに深夜早朝でも自由に使える点は有り難かった。

松田聖子のような髪型の女の子を長距離ドライブに誘って、運転に疲れたふりや、酔っぱらったせいにして、ご休憩場所として活用した。ちょっと反省。

“オールナイターズ”みたいな人々とグループで出かけて不純に盛り上がったりもした。結構反省。

一応、今日は、オーナー企業が購入するリゾートマンションの税務上の微妙な問題を書くつもりだった。

結局、脱線したまま長くなってしまったので、本題に入らずに終わりにする。

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