フランス料理、イタリア料理、中華料理などに比べて「アメリカ料理」という言葉はあまり聞かない。世界有数の大国なのに不思議ではある。
実際に思い浮かぶのは、ハンバーガー、ホットドック、アメリカ式?のピザぐらいだから仕方がない。あれはあれで時々やたらと食べたくなる。
昭和40年代の子供の頃に食べたハンバーガーは衝撃だった。よく考えればケチャップとマスタードだけの味だったが、逆にそれが子供心に響いた。
繊細さとは別のガッツリとした分かりやすい美味しさだ。ディスっているわけではない。だから今も気取った味付けのハンバーガーよりもケチャップ&マスタードの王道的ハンバーガーに惹かれる。
久しぶりにトニーローマに行く機会があった。麹町に昔からあったのだが、いつの間にかファミレス的な様子の店に変貌していた。
バーベキューリブの甘ったるい味は中高年にはさすがにキツいが、若き日に夢中になって食べた記憶を脳がしっかり覚えている。それなりに楽しく過ごせた。
これもアメリカ料理の代表格みたいなものだ。口に入った瞬間、すなわちファーストアタックだけで勝負している感じ。常に空腹だった若者には御馳走だった。
こちらはオニオンリングである。やけっぱちみたいな感じだ。まあ、こんなものが上品に出てきても仕方ない。豪快といえば聞こえがいいが、ぶっちゃけ乱暴というほうが的確だろう。
こういうフランクな感じ、無邪気な感じが時には楽しい。遊園地的な面白さだ。それもディズニーとかではなく、「としまえん」みたいなヌルさである。
さて、私にとってアメリカ料理レストランの最高峰?がトレーダーヴィックスだ。ホテルニューオータニの中に大昔からある店だ。
時々、思い出したように出かける。味も悪くないが、味よりも店の雰囲気が好きで、もうウン十年来のファンである。
野郎同士で行くタイプの店ではないので、この日は甘い酒が好きだという女子を連れて行く。この店の特徴はオリジナルカクテル(トロピカルドリンク?)の種類の多さである。
どさくさまぎれに私も甘い酒をドシドシ注文する。普通のバーだと抵抗があるのだが、この店の場合、名物ドリンクにかこつけて甘い酒をグビグビ楽しめる。
大のオトナが大手を振って甘い酒が飲める聖地みたいな場所だ。
スペアリブなどの盛り合わせや海老のカクテルをツマミにチューチュー酒を飲んでいると普段とは違うハッピーな気分になる。
一応、メインにラム肉を頼んだりして、ちゃんとしたディナーのように仕立ててはいるが、結局、トロピカルドリンクを何杯も味比べしているうちに料理はほとんど食べずに酩酊。
メイン料理までたどり着けなくても、そこはアメリカ料理である。あまり悔しくない。いや、そんなことを言うとアメリカ料理ファンの人に怒られそうである。
結局、ディスってしまった。
1960年代に生まれた我々の年代は、若い頃はアメリカに憧れた。正確に言うと、無理やり憧れさせられたといったほうが正しいかもしれない。
メディアのあおり方もアメリカが絶対だったし、入ってくる若者向け文化の情報もアメリカ一辺倒だった気がする。
なんてったって「ベストヒットUSA」というアチラのヒットチャートを紹介するテレビ番組が大人気だったわけだから今考えれば凄いことだ。
私自身、カウボーイブーツを履いて、ハンバーガーをかじって、ジョンクーガーを大音量で鳴らしてジープのハンドルを握っていた。
大学時代にアメリカ旅行に行った時も、目に入るものすべてがアメリカだったから(当たり前だ)やたらと興奮した。
なんだか話が支離滅裂になってきた。
というわけで、大ヒットしたDA PUMPの「USA」は、ある種の郷愁にも似た気分で聴いていた。意外にそんな感覚で聴いた中高年は多いのかもしれない。
話がとっ散らかってしまった。
というわけで結論。悪評も多いアメリカ料理だが、時と場合によっては美味しいということにしよう。 何じゃそりゃ。
2 件のコメント:
とっ散らかっているようではありますが、J.BOYだった私は完全に同意でございます。
館長さま
We were lookin'for AMERICA !
フゥ~ウーウー!
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