野球を好きになってもうすぐ半世紀だ。WBCを見ながらこの半世紀の野球界の歴史を思い起こす。国際大会を舞台に日本野球が強烈な強さを発揮しているわけだから昔からのファンとしては泣けるほど嬉しい。
私が子どもの頃には秋のシーズンオフに来日するメジャーリーガーと日本チームの親善試合が頻繁に行われていた。観光気分、遊び半分の相手なのに日本チームはまるで歯が立たなかった。
その後、野茂投手が世間の猛バッシングの中で道を切り開き、多くの選手が海を渡り個々の選手の能力も格段に向上して今や世界トップレベルの野球大国になった。
前例のない超人・大谷翔平を育んだ国である。凄いことだと思う。昭和プロ野球を熱心に見ていた私からすると隔世の感がある。
技術論はさておき、つくつく思うのが体格面の進化だ。巨漢の外国人にもひけをとらない体格の日本人選手も増えてきた。ほんの数十年で変われば変わるものである。
だいたい今の選手は足が長い。昔は短足胴長の選手ばかりでピッチャーなんてそのほうが重心が安定して良いなどと言われていた。
ずんぐりむっくりの体型にパンチパーマが野球選手の定番だった。サッカーJリーグが出来た頃にはサッカー選手との見た目の違いが随分と指摘されていた。
昭和の子どもだった私としては野球選手のイメージは「江夏豊」に象徴される。それも選手時代晩年のコワモテ路線の姿だ。
どっしんどしんとマウンドに向かい、ドッコラショっと剛球を投げ込む感じ。山本吉伸や佐々木朗希みたいなシュッとした雰囲気とは全然違う。
いまどきの選手は「シュっとしている」という表現が的確だろう。昔っぽい?のはヤクルトの村上宗隆や横浜の牧秀悟、西武の山川穂高、巨人の岡本和真、そして昭和野球顔ナンバー1の近藤健介あたり。
今回の日本代表チームもその他の選手はシュっとしている。周東なんて名前までシュっとしている。元AKBの旦那である高橋奎二も巨人の戸郷もそっち系である。
顔も昔とは違う。皆さん何ともスッキリしている。昭和プロ野球で活躍した衣笠、松原、村田あたりと比べてみると時代が確実に変わったことを実感する。逆に言えば昭和の選手達はこんな恐い顔の選手達とよく対決していたと感心したくなる。
野球選手に限らず、日本人の体格や顔つきが昔とは随分変わってきたことを実感する意味でもWBCは見ていて面白い。
それにしても大谷翔平は存在そのものが反則だろう。身体付きはゴツいわりに10頭身かと思えるほどスラっとしていて、おまけに二枚目である。
ついでにいえば投げ方も打ち方も変なクセがなく純粋に美しい。野球界に舞い降りた天使というか神様としか表現できない。彼をリアルタイムで見られる日本人は歴史的に見て凄く幸運だと感じる。
さて、明日から負けたら終わりのトーナメント戦が始まる。日本の強さは間違いないが、一発勝負の試合だけに何が起きるか分からない。
最後まで勝ち残って欲しいが、仮に途中で終戦になっても予選リーグであれだけ国民を熱狂させてくれたことは非常に尊いことだと思う。
私の母校は小学校の頃から校技がサッカーで運動会よりサッカー大会に力が入っている不思議な学校だった。当然、野球よりサッカー派も多かったのだが、断固野球派だった私としては侍ジャパンの大躍進を願っている。
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