2023年3月24日金曜日

季節は春

 

いつの間にか春である。何となく気分もアガる。日本人は春が大好きである。「冬来たりなば春遠からじ」という言葉自体がその証だ。「春来たりなば夏遠からじ」とはいわない。

 

春を題材にした歌もたくさんある。まあ夏も秋も冬も歌はあるが、とりあえず今日は春の話である。

 

子どもの頃に聴いたキャンディーズの「春一番」を始め、毎年この季節になるといくつもの春の歌を口ずさんできた。イルカの「なごり雪」や柏原芳恵の「春なのに」あたりの切ない感じもある意味春らしくて好きだ。尾崎亜美の「春の予感」も好きだ。♪春に誘われたわけじゃない~♪という箇所をしょちゅう口ずさんでいる。


春が別れの季節だという感覚は若者特有の感覚だろう。歳を重ねてくると別れというより「今年もまた生き延びたぜ」みたいなおめでたい気持ちになる。

 



 

春は桜の季節でもある。今年の桜は開花したと思ったらアッという間に満開になったような気がする。桜より梅が好きな私ではあるが、やはり桜を見るたびにいろんな感情が湧いてくる。

 

森山直太朗の「さくら」やケツメイシの「さくら」あたりを口ずさみながら花びらが舞う景色を見ていると少なくともあと10回は見るぞと意欲が湧く。10回だとちょっと少ないからあと15回は見たいものだ。

 

あん肝や白子といった冬の楽しみに飽きてくる?頃にウマくなるものを楽しむのがこの季節の寿司屋通いの楽しみだ。私にとって四季を実感しやすい場所はお寿司屋さんである。

 


 

カスゴダイである。漢字で書くと春子鯛。文字通り春を実感する逸品だ。酢締めにしたカスゴは握りで食べるのがオススメだが、熱燗のお供にツマミで味わうのも趣がある。

 

コハダもそうだが、酢締めするネタはお寿司屋さんのレベルというか力量がストレートに出る。最近は大衆系の気軽なお寿司屋さんにも好んで出かけるようになったがそういう路線の店では酢締めしたネタは頼まない。

 

先入観のせいもあるのだろうが、やはり酢締め系や穴子、茹で海老などはお寿司屋さんによる格差が激しい。あの世界にもすみ分けみたいな部分はあるからそれはそれで仕方ない。


軌道修正。。

 

春の貝といえばハマグリも外せない。煮ハマグリを出すお寿司屋さんは少数派だが、古典的なお寿司が好きな人なら“ニハマ”と聞いただけでヨダレが出る。

 



甘いタレをまぶして食べるのが一般的だが、握りだけでなくツマミにするのも悪くない。ツメの味が強めだから握りにするとシャリの味が負けちゃうこともある。ツマミにすると一口で食べ終わっちゃうこともなくチマチマと何度も口に運べてこれまた酒の肴にバッチリだと思う。

 

赤貝やホタテがナゼかあまり好きでない私にとって貝類の握りといえば煮ハマグリなのだが、その他にはやはり春が旬のアオヤギがイチ押しだと思う。

 



通称「バカ貝」である。あんなに美味しいのにそんな呼び方をするのは可哀想だ。個人的には寿司飯にもっとも相性が良い貝がアオヤギだと思う。甘味とほんの少しの渋み、食感がシャリと融合することで絶品になる。

 

貝といえば赤貝ばかりが何となくもてはやされているが、アオヤギの社会的地位?はもっと上昇すべきだといつも感じる。タイラ貝、石垣貝など昔はあまり聞かなかった貝類が寿司の世界にどんどん進出しているようだが、アオヤギこそ王道だと言いたくなる。

 

これから生のトリ貝も出回り始める。あれは短い期間しか食べられない貴重な逸品だ。加熱したトリ貝とはまるで別モノかと思うぐらい旨味と甘味が感じられる。

 

春の話を風流に書こうと思ったのに結局今日も食い意地のはった話に終始してしまった。

 

 

 

 

 

 

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