珍味晩餐
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その後、痛風の体験談をアチコチから聞かされてビビった私は珍味攻めの頻度を減らすようになった。この10年で私が頑張って「減量」に成功したのは葉巻と珍味の2つだ。体重は減らないが…。
葉巻は知り合いが喉のガンで亡くなったことがきっかけだ。珍味もアホみたいに食べ続けるのは“緩やかな自殺“だと思って自重するようになった。
そんな涙ぐましい努力のせいか、直近の血液検査では尿酸値もコレステロールも標準値である。すなわち超健康人である。なんたる栄誉だろう。ダブル正常値はひょっとしたら20年ぶりぐらいの快挙である。
というわけで、今はしっかり珍味を味わっている。一応、珍味をぶりぶり食べたら翌日には控えるぐらいのメリハリだけは意識するようになった。でも食べたい時にはワシワシと口にしている。
香箱ガニの内子やら外子やらを肴に燗酒をチビチビ、白子も一緒に味わってまたチビチビ。こんな過ごし方が冬の醍醐味である。夏にはちっとも欲しくない食べ物だが、冬には毎日でも食べたくなる。
冬が深まればアンキモやカラスミも登場する。通年レギュラーメンバーであるウニやイクラも外せないし、カワハギの肝なんかも脂が乗ってくる時期だ。珍味好きには堪らない。
年内にはふるさと納税の返礼品で上質なウニの瓶詰めやイクラや筋子もたくさん届く予定だ。どう転んでも年末年始の休日は不健康になりがちだから珍味まみれで過ごそうと考えている。
先日は、築地の某寿司屋で小ぶりの活アワビがあったので肝を堪能するために注文した。アワビは高いばかりでさほど好きではない。でも新鮮な肝は別モノだ。こればかりはアワビをまるごと注文した時にしか食べられない。
コリコリの刺し身を肝醤油で食べるように勧められたが、断固拒否して肝は肝で刺し身にしてもらった。ポン酢ともみじおろしが相棒である。
小ぶりのアワビだったので肝も小さかったが、それでも泣く子も黙るアワビの肝様である。磯の風味をまとったエロティックな肝のジュワッとした旨味が口の中に広がる。最高だ。もう2023年が終了したような気分になった。
魚卵や肝系の珍味はそれこそ魚の数だけ存在するが、地味な存在になっているのがタラコである。いつのまにか明太子ばかりがモテはやされるようになり、タラコはどこか肩身が狭そうな感じだ。
先日、鮭フレークで有名な「新潟・加島屋」のほぐしてある塩タラコを使ってパスタを作ってみた。貰い物の消費期限が迫っていたので一気に使うために贅沢たらこパスタに仕上げてみた。
ほぐしタラコ自体がかなりしょっぱいので塩は使わず、茹でたパスタを蕎麦つゆとバター、オリーブオイルを混ぜた即興ソースと和えるだけで完成。仕上げに刻み海苔をトッピングした。
すべて目分量でテキトーに作ったのだが、天性の料理人?みたいなセンスの塊である私にかかれば問題はない。恐る恐る食べてみたのだが、なかなかの出来栄えでペロペロと200グラムほどのパスタを平らげてしまった。
でも投入したタラコの量はかなりのものだったから塩分とコレステロールを考えたら人様に勧められるものではない。でもウマかった。あくまで血圧やコレステロールなどを日常的に薬でコントロールしている人には強くオススメできる一品だった。
というわけで、寒さが強まるこれからの季節は上手に薬を活用しながら珍味達と付き合っていこうと思う。
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