私はアメリカ人ではないので、大統領就任式で興味があったのは大統領専用車の威風堂々とした姿。その名もキャデラックの「プレジデンシャル・リムジン」。なんとも立派だ。これぞアメリカン!って感じだ。
報じられている記事を引用するとこんな感じ。
『~防弾ガラスと強化されたボディに加え、化学兵器による攻撃を想定して内装も完全密閉式になっているとされ、「携行式ロケット弾の攻撃にも耐えられる」ほど頑丈な作りとの評判に、一部では「小惑星の直撃にも耐えられる」との冗談も飛び交うほどだ。~』
うーん、是非近くで見てみたい。
以前、恐れ多くも私も参加していたあるイベントに天皇陛下がご臨席された。ここぞとばかりに私が実行したのが、待機中の専用車を見にいくこと。まことに不謹慎だ。
当時はまだ、現行の「センチュリーロイヤル」ではなく「プリンスロイヤル」が現役だったので、イベント会場の賑わいをヨソにノコノコ車寄せあたりをウオッチ。
ただ、通常公務には普通のトヨタセンチュリーが使われていて、レトロなクラシック感が魅力的だったプリンスロイヤルを間近で見ることはできなかった。それでも、ご紋章が付いたセンチュリーが厳かに停車している姿を見てウヒョウヒョとした気分になった記憶がある。
プリンスロイヤルに取って代わった現在のセンチュリーロイヤルは、何となく見た目が面白味に欠ける。これもひとつの昭和レトロ懐古趣味かもしれない。
さて、アメリカ大統領のキャデラックリムジンの話。過去の大統領専用車はリンカーンかキャデラック。ケネディ大統領が狙撃された時のオープンカーはリンカーン。
その後、専用車は防御機能がメインになっていく。ちなみに、確かレーガン元大統領が来日した際に持ち込んだリンカーンのリムジンがやたらと格好良かったことを思い出す。
今回の新型車もそれなり格好良いが、まるで要塞のようだ。あのリンカーンのエレガントさは特別だった気がする。
ところで、あやかったわけでもなんでもないが、実は私もキャデラックを愛用中。といっても「SRX」。すなわち、いまどきの四駆だ。
若かりし頃、ニッサンサファリ・ディーゼルを改造して、その手の愛好家が作る四輪駆動ツーリングクラブに参加していたことがある。
ナンパ車最盛期だったので、そういう風潮がイヤだったアマノジャクな私としては、オフロード攻めこそお洒落と思って遊んでいた。
いまやすっかり四駆もステータスが上がり、ポルシェだってカイエンが経営を支えるほどだ。昔の習性で、いまもついつい四駆に目が行ってしまう私が選んだキャデラックは、たいした故障もなくすこぶる快調。なにより気に入っているのが、絶対と言っていいほど街で同じ車種を見かけないという点。
私自身、オーナーのくせに「SRX」という名称がいつまでも覚えられなかったほどマイナーだ。そこが素敵だと思う。
今度から「俺のクルマは大統領専用車と同じメーカーだぜ」とか言ってみることにしよう。
でも、こちらの専用車は、野良猫に引っかかれたり、ネズミを轢いてしまったり、最近はドアミラーの自動開閉が勝手に動き出したり、随分頼りない。
2009年1月22日木曜日
キャデラック
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7 件のコメント:
プリンスロイヤルのリアシートは京都に西陣織の職人が丹精込めて織り上げた逸品だと聞きました。当然のことながら正絹の織物は摩耗も多く、難解も張り替えられているそうです。その玉座については昭和天皇の膝下寸法から推測(畏れ多くて日産の技術者たちはついに膝下寸法を陛下に伺うことができなかったという逸話があります)、陛下が最も安定して着座できる位置を割り出し、ご高齢になった折にも、乗降が楽にできるように配慮されたそうです。さらに皇宮警察用に、床下には自動小銃も隠し込まれ、タイヤは銃撃にも耐えるスローパンクチャータイプを装備。当時の日本の状況としてはなかなかの重装備だったようですよ。 By:Coyote
そういう話、ワクワクします!伝統と職人技がウリの国なのですから、最大限にその手の要素をぶち込んで作る車があっていいですよね。
現行のセンチュリーロイヤルは、どこまで職人技が投入されているか分かりませんが、個人的にはあの顔付きには、もう少し色気が欲しいような気がします。
ではもうひとつ浅学を披露します。私がとある企業のリクエストでヌバック製のリュックを作成しようとした時のことですが、神田あたりのスポーツ用品点にてリサーチをしていたところ、とあるバイヤーから『日本で最高のリュックサックを作っている職人を紹介してやる』といわれました。さっそく出向きご挨拶をしてみるとその方は昭和天皇のリュックサックを縫製しているという方でした。那須のご用邸などの自然観察などの折、このリュックサックを両肩に背負った陛下が虫眼鏡をかけてフィールドワークをされいる時などに、テレビニュースなのでちょいっちょい映る、なんの変哲もないリュックした。
ところがよくよくその名職人の話を聞いてみると陛下の体重の3倍までは軽々と耐える縫製に仕立ててあると仰る。万が一の時、陛下が崖などから転落された場合にご自分の体重をも支えられない脆弱はリュックでは陛下のお命にかかわるから、というのが回答でした。
人の命の重さを考えたモノ作りという点ではあのエルメスにも匹敵するほど感動しました。エルメスも同様に当時の貴人たちを縫製ミスによる落馬事故から守るための馬具製造で名声を得たブランドですよね。
神田のエルメス…という与太話でした(笑)
By:coyote
命綱を前提としリュック作りって、なんとも深い話ですね。渋すぎる!皇室関係だと傘なんかも痺れる風情ですよね。「本当にいいもの」の意味を考えさせられます。昔の野球選手やそこらのドンクサイ人がこぞって買い求める某欧州ブランドも大型スーツケースあたりだと、その計算され尽くした機能性と信頼性は驚くべきレベルらしいですね。私は柄が嫌いなので買いません(買えません)が、そういうホンモノって、この国にも沢山あるはずですので、昨今の「安かろう悪かろう」の傾向は考え物ですね。
>某欧州ブランド:いわゆるモノグラム柄のことで
すね?
僕も嫌いです。大型の船旅用の旅行鞄に関して
はちょっと面白い話があります。これらの旅支度を
するのは上級 執事、いわゆるバトラーの仕事領域
です。バトラーは個 を与えられる身分の上級執事
で主人の給仕から旅支度(いわゆるスタイリングの
トーン&マナー)までを管理しするのが仕事です。
他にも銀食器の磨き上げなども行なっていた関係で
あのモノグラム柄のトランクの四隅にを補強してい
る真鍮の金具もピカピカに磨き上げていたそうです。
こうした風習を考えると『モノグラム柄のトランク
やケースの真鍮金具を磨かないダメなバトラーを雇
っているからには、彼は落ち目だな、と陰口を叩か
れたそうです。富豪記者殿のバトラーは超一級と伺
いましたから、金重晃介老師の冬景色、備前焼ぐい
呑みを納めている鞄の中にも十分に保湿ワックスが
かけられていることでしょう。
By:Coyote
なるほど。。確かにモノグラム、自分で持ってちゃ富豪とはいえませんね。。
ウチの執事にちゃんと言い聞かせます!!
私のマイバッグに入っているぐい呑みは、ネットオークションで買った小ぶりの仕服に乱暴に包んでいるだけだったりします。ワックスならぬ「さっきまで呑んでいた酒」が、時間をかけてマイぐい呑みに妖艶な艶と照りを醸し出すので、お店の人が気を利かせて「洗ってきましょうか」とか言ってくれると心苦しいのですが、丁重にお断りして、酒を染み込ませたりします。まあ一種の変態ですね。。。
違う意味で艶っぽい話ですねぇ(笑)
By:Coyote
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