このブログで酒を題材にすることが多いが、私は甘いものも好きだ。これからの季節はやはり、かき氷が嬉しい。
先日、目白の老舗甘味処「志むら」までかき氷を食べに出かけた。この店、九十九餅という甘さ控えめな上品な銘菓が有名なのだが、私にとっては夏場のかき氷の印象が強い。
変な話、値段が高いのがいい。かき氷を高価に設定するからには、ヨソとは違う頑張りを見せないわけにはいかないだろう。
「志むら」のかき氷は、平気で700円とか800円も取る。いまどきのサラリーマンのランチより高いのだから、逆に、かき氷好きな人には期待を抱かせるには充分。
名物のかき氷は「生いちご」。私は1000円出しても食べます。携帯の写真なので、実物の質感がまるで写せていないが、圧巻です。氷自体の食感が粗すぎず、なんともエロティック。肝心のソースが素晴らしい。
かき氷のいちご味といえば、例の真っ赤なシロップが定番だが、ここのは別もの。生のいちごをじっくり煮込んで作られたジャムのような状態。ジャムと表現すると甘ったるいイメージだが、食感がジャムのようなだけで、味わいは最高。いちごそのものの甘みと正しい酸味が一体になっている。大人のいちごだ。
3年前ぐらいからこの店のかき氷のファンになった私だが、実は「生いちご」と「アンズ」しか食べたことがない。
「アンズ」も酸味が決め手。こちらもシロップ状ではなく、ジャムのように粘りのあるソースが氷と混ざり合って、火照った身体を癒してくれる。
ここのかき氷、わざわざ食べに行く価値はあります。
さて、話は変わって、辛い方の話題。
先週、今シーズン初めて「シンコ」に遭遇した。言わずとしれたコハダの赤ちゃん。初夏の風物詩であり、寿司好きの私にとっては、人より早く味わいたいと例年虎視眈々と登場を待っている。
今年の初物は、高田馬場の鮨源本店で私の餌食になった。コハダを頼もうとしたとき、赤ちゃん登場を告げられた。
握りは1貫づつあれこれ頼むのが私の通常パターンだが、さすがに、シンコは2貫頼んだ。やっぱり赤ん坊は美味しい。
ひと口ふた口噛んでいると、幼児虐待のような後ろめたさを感じるが、それも束の間、あっという間に柔らかな旨味が広がる。いよいよ夏って感じだ。魚の旬で四季を感じられる日本人で良かったと大げさに感じ入ってしまった。
シンコが出てくれば、遠からず「新いか」が登場する。こちらも赤ちゃんだ。コウイカ(墨いか)の赤ちゃんが夏の一時期、珍重される。待ち遠しい。
こちらも噛み心地が特徴。素敵な女性の耳たぶを軽く噛む時の感触だ。よく分からない例えで恐縮だが、そんな感じ。
もっと違う例えをするなら、素敵な女性の下唇をそっと甘噛みするような感触だ。やっぱり変な例えしか思い浮かばない。いずれにしても“素敵な女性”であることが絶対条件。まあとにかく“なんかイケナイことをしている”的な変な高揚感がある。
美味しいものって結局はエロティックな味わいと同義語なんだと思う。
2008年7月1日火曜日
かき氷とシンコ
ラベル: 中年グルメ
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